この世に存在しないもの「美味しくないカレー」

カレーはどうやったって美味しくなる。そんなことを思っていました。だって具材炒めて煮込んでルーで味つけるだけ。成功が約束された料理のはず。
なぜ私は不味いカレーを4人前も作ってしまったのでしょうか。今日はその振り返りをしたいと思います。

チャレンジ+チャレンジ=やばい

前からチャレンジしてみたいカレーがあった。その名を「無水カレー」という。調理の際に水を使わず、トマトなどの野菜から出る水分のみで作るらしい。野菜の旨味が出て美味しそうだと思いレシピを調べた。うん、料理レベルの低い私でも作れそうだ。
1つ目のチャレンジが決まった。

次に私はカレーを市販のルーを使わずに作れたらカッコいいよなと思いついた。無水カレーのレシピを調べたついでに「カレー スパイス」なんかで検索をした。色んなサイトでスパイスを使ったカレーの作り方が書いてあった。クミン、コリアンダー…などなど漫画などで聞いたことがあるスパイスを使った美味しそうなレシピがたくさん出てきた。難しいけれどイケそう、と根拠のない自信を持った。
2つ目のチャレンジがこれだ。

今だったら言える。料理が得意でない人間が料理をするときは不確定要素は1つにすべきだと。
この時だったら、「市販のルーを買って無水カレーを作る」か「スパイスカレーを普通に作る」のどちらにすべきだった。それなのに私は「スパイスを使って無水カレーを作る」という変数だらけのものに手を出してしまったのだ。

言い訳としては「カレーをこまめに作らないから、この機械にやりたいこと両方ともやってしまおう」と思ったのだ。
得意じゃない分野って認識できている領域が狭すぎるから根拠の無い「出来る」を振りかざしがちだよね。

分量?知らん目分量だ

スパイスカレーを作るにあたって大事なのはやはりスパイスの調合である。味の中核はスパイスだもんね。レシピを調べたところきちんと分量を説明してくれている。これ通りに作れば問題がない…はずだった。

レシピを見て、買い物を終えた時私は気づいていなかった。我が家に大さじも小さじも無いことに。今まで味付けはクックドゥや丸美屋などのレトルトに任せていた人間がそんな緻密な計量をするものを持っているはずがない。

なのでスパイスの調合はフィーリングで行った。これくらいでしょ?
レシピは美味しく作るための方法であり、それを料理が得意でない人間が無視するとどうなるかは2択だ。ビギナーズラックで天国に行けるか、順当に地獄に落ちるかだ。特に今回のような複数のスパイスを調合する場合は後者になる確率の方が高いのだろう。結果は案の定であった。

結果何が起きたか

一切水を加えず野菜から出る水分で出来ているカレーになる前の具材の煮込み。野菜の甘みがしっかりと出ており煮汁は甘みが強かった。そこによく分からないまま作った、匂いだけカレーっぽさがある調合スパイスをぶち込んだ。

色と匂いはそれっぽい感じになった。インドカレー屋で嗅ぐ匂いだ!と心が踊った。色もカレーの色になった。この時は自分の内側にある秘めたる料理の才能を感じざるを得なかった。
伸び始めた鼻をへし折ったのは味見だ。カレーを一口すくって口に含んだ瞬間首を傾げた。

「これはカレーっぽい何かだ…」

匂いはカレーだ。口当たりも一瞬はカレーぽいのだが甘い。スパイスの辛味が野菜の汁の甘みに勝てていない。そしてカレーの味があまりしない。
自身の料理だから言葉を選ばないが食えたものじゃなかった。
ここでようやくことの重大さを知った私は付け焼き刃で適当にスパイスを足して少し辛さを取り戻したところでギブアップした。

これは完全に負けた。

次回へ向けた目標「スパイスカレーを作ろう」

不味いカレーを作ったがここでめげる訳にはいかない。なぜならスパイスが大量に余っているからだ。しばらくは研鑽を積める(積まないといけない)。
なので次回はスパイスを使うことを中心に据えてどこかのレシピをそのまま作って見ようと思う。
料理もまたTry and Errorの世界だ。

その前に今回作った美味しくないカレーが後4皿分くらい残っているから食べないと…。

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