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不妊治療その後の話 養子について

不妊治療やさまざまな理由で子どもを持つことをあきらめた人に対して、
養子を勧めてくれる人が必ず出てくる。
善意から出る発言だとわかっていても、正直余計なお世話だと思っている。

不妊治療をしている(した)人で、
程度の差こそあれ、養子縁組を考えたことのない人はいないと思う。

私は「血縁がすべて」などと思ったことはないが、
養子縁組を現実的なこととして考えたことはなかった。
まず、「夫の子がほしい」からスタートした不妊治療だったこと。
また、自分から手を挙げて誰かの人生に責任を取る勇気がなかったからだ。
そして今、体力的にも子どもを育て上げる自信がない。

もちろん、不妊治療をしている時点で、
積極的に子どもを持とうとしているわけで、
その子の人生だって責任を持たないといけないでしょ、と言われれば、
まったくもってその通りだ。

でも、その子はどうにもこうにも私たち夫婦の元に生まれてきてしまったわけで、お互いそこは受け入れるしかない。
養子縁組の場合は、私が手を挙げなければ、その子には別の人生が待っているわけだ。
不妊治療がうまくいきませんでした。では養子縁組します。
というわけにはいかないし、いかせてはいけないと思う。

もちろん、養子縁組が双方にとって幸せな結果になっていることはたくさんあり、元宝塚の瀬奈じゅんさんなど、著名人がその体験をオープンにするのは、とても有意義なことだと思う。

そして、養子縁組で子どもを育てている人は、
自らの体験を語ることはあっても、
「だからあなたも養子縁組をするといいわよ」とは言わない。
それがすべてだと思う。

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