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夢の中でもFPSしてたら亡き爺が夢枕に立った話

こんにちは。近頃Apex Legendsに人生を溶かされつつある私です。
皆さん、Apexって知ってますか?
Apexとは昨今巷で大人気なバトロワ系FPSゲームの名前です。
プレイヤーは3人1組となり、それぞれが自分の好きなキャラクター(レジェンド)を操作して、最大20チームの中でのトップを目指すというルールで、万が一自分が死んでからも、場合によっては味方に蘇生してもらったり、味方のプレイを観戦して応援したりと、FPS初心者の私でも大変楽しめています。
私は友人に誘われてワンテンポ遅れてハマって以来、寝ても覚めても走ったり撃ったりする生活をおくっています。
今回は、夢の中でもそんなApexをやっていたという話です。


 夢の中の私は、いつも通り親友のEとデュオ(二人一組となり、三人目がオンライン上からワンダムに追加されるモード)でApexをしていました。ちょうどイベント中で、新ルールのサバイバルPvEモードでゾンビと戦っていたらしいです。
その時の私は早々に犬に食われてしまい、そのマッチはパーティ内の野良プレイヤーの動きを観戦して終わりました。
私はすぐに死んでしまったので、次のマッチではとても上手だったさっきの野良プレイヤーに活躍してもらおうということになりました。
私たちはその野良プレイヤーをパーティに招待しました。
すると、彼は通話に参加してきました。
その声は先月死んだ私の爺でした。
爺は通話越しに、入院する前の元気だった時の声で、
「(私の名前)ー、じいちゃんこれから仕事でもう行かなにゃならんから、また明日遊ぼうやなー。じゃあなー。」
と、いつもののんびりとした口調で言い、オフラインになってしまいました。
私は久々に聞いたその懐かしい声に戸惑いながらも、もっと話したくて、引き止めるべく家を飛び出ました。
そこは丸の内線東京駅でした。
黒い人ごみの奥に、遠ざかっていく背広を着た爺の背中が見えます。
黒服の波をかき分け、私は前に進みました。
よく見ればその人ごみは皆、私の親戚縁者で構成されていました。
まだ生きている人も、既に死んでいる人もいます。
だんだんと近づいて、もう少しで追いつけると思ったその時、私は後ろから何者かに腕をつかまれました。
振り返ると母でした。さらに後ろには少し遅れて親父も来ています。
「迎えに来たよ。もう帰ろう。」
母は静かにそう言いました。
帰りのモノレールを待つホームで私は泣き、その声で目が覚めました。
50日祭の二日後のことでした。

 目覚めた私は鼻をかみながら、もしあの時追いつけていたらと考えていました。
あるいは、絶対に追いつけなかったのかもしれません。
私はコロナ禍のせいで、大好きだった爺の看取りどころか、去年の正月以降会うことすらままなりませんでした。
テレビ通話で見た、臨終の床で沢山の管に巻かれ声の出なかった爺が、50日祭が終わって神棚に入った今日になって夢の中で別れを言いに来てくれたのだと思うと、いっそう涙が落ちました。

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