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何にもないあの街の風景が1番キレイだった、好きだった。

小さい頃から引っ越しすることが多かった。

数えてみると、
かれこれ12箇所の家を転々としていた。

同じ地域の違う家へ引っ越すこともあれば、
全く違う地域へ引っ越すこともあった。

山に近い家から、海へ近い家へも。
都会から、田舎へも。

大人になってからは、
私は引っ越してなくても帰省したら
実家が引っ越していることもあったので、
+3箇所の家を渡り歩いたことになる。

15箇所の我が家。

冷静にみると、凄い数だ。

別に引っ越しが好きなわけでもないし、
出来れば落ち着く場所にずっと居たいけど、

様々な理由で引っ越さざるを得ない状況に
なることが多かった。

そんな15箇所の家の中でも、
最も心に残っている家は
《何にもない不便な場所にある家》だった。

居住期間が1番長かったのもあるし、
家の周辺で遊ぶことが多かった子供の頃に
住んでいた家ということもあるかもしれない。

急な坂が多いこの街。

どこに行くにも冒険並みだった。

Googleで調べれば20分の通学路も
小学生の私からしたら、

急な坂を何度も上がり下がりしてたどり着く
30〜40分程の長ーーーーい道のり。

近いバス停も徒歩20分ほど。
近いスーパーも徒歩15分ほど。

周りは団地か戸建てがほとんど。
ある程度人通りのある商店街もあった。
商業施設へ行くには車が必須。

いわゆるベッドタウンだった

何にもない。
だからこそ、何かを探しに行く!

そんな感覚で家の周辺を遊び周る日々。

自転車に乗って、
住宅街の色んな道を進んでみては

『ここはあそこに繋がるのか!』
と冒険心をくすぐられた。

ただ何か目的があるわけでもなく
『今日はあっち方面へ〜』と
赴くままに風景を楽しむ自転車の旅。

夕日が落ちる頃、丘の上にある家へ帰ると
富士山に夕日が落ちていく風景を
窓からうっとり眺めることもできた

富士山からはかなり離れていたけど、
高い建物がない丘の上の家だったから
そんな雄大な景色も見ることができた。

周りが畑ばかりなわけではないし、
マンションや団地で高い建物もある。

けど、いい感じで自然を感じられる

幼稚園も、ターザンがある小さな森つき。

もしかしたら、地元の人は
気づいてしまったかもしれないあの場所。

この街の魅力を伝えたいから
名前も伝えたいところだけど、

私を特定されたくないので
ここは秘めときます。笑

そのくらい小さな街。

みんな元気かな〜。

何にもないからこそ、
小さな魅力にも愛着が湧く。

出入りが多くない場所だからこそ、
学年みんなの顔がすぐ思い浮かぶ。

なんでもない日常が、
あのとき自転車から見た風景が、
学校から家まで寄り道したあの日々が、
すべて愛おしい思い出になっている。

かけがえのない温かい思い出に。

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