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スウェーデンのEMOレジェンド、Starmarket特集

 今回は、スウェーデンのEMOレジェンド、Starmarketの楽曲をまだ聴いたことがないという方へ、入門となるような記事を書いていきたいと思います。

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■Starmarketの魅力とは

 Starmarketのファンは非常に熱いです。『スターマーケットが一番!スタマ命!』と言わんばかりの熱量をお持ちの方が多い印象です。(私自身もその一人です)

 スターマーケットがそれだけ愛されてるのは何故かと自分なりに分析してみた結果、"熱さとクールさの共存"というキーワードが浮かび上がりました。

エモーショナルな歌唱も、アグレッシブで疾走感溢れるバンドサウンドも、どれも熱くて最高だけど、ただただ熱いだけでは終わらないのがスターマーケット。

 どこか北欧スウェーデンの雰囲気が漂うような(行ったことないですが)、クールで冷静な空気感も持ち合わせていて、そのバランスが何とも絶妙なんです。

 サウンド的にも、変に気を衒ったりせず、とにかくオーソドックスにカッコいい音を鳴らし続けるスタイルがたまらないですね。

 オーソドックスさもここまで突き詰めるとある種の個性になると言うか、とにかくカッコいいので是非一度聴いて頂きたいバンドです。

■プロフィール/経歴

活動拠点:スウェーデン🇸🇪
活動期間:1995年〜2005年、2018年〜現在
ジャンル:エモ/インディーロック

 1995年、1stアルバム「Starmarket」でデビューを果たします。疾走感溢れる楽曲、ストレートなバンドサウンド、北欧の雰囲気漂うクールな空気感、そしてエモーショナルな歌唱。デビュー作ながら既に完成度は高く、EMOシーンにおける傑作となりました。

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 翌1996年には、7曲入りEP「Calendar」をリリース。Hüsker Dü等のハードコアパンクから大きな影響を受けたといい、彼ら史上最も攻撃的なバンドサウンドを展開します。

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 翌1997年には、彼らの最高傑作との呼び声が高い、2ndアルバム「Sunday's Worst Enemy」をリリースしました。1stで既に完成されていた音楽性を極限まで高めると同時に、よりドラマティックさと深みを増し、EMOシーンに燦然と輝く金字塔を打ち立てました。Texas Is The ReasonやThe Promise Ringといった90's EMOを代表するバンドらと共に北米やヨーロッパでのツアーを敢行するなど、世界的人気を獲得していきます。

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 それから2年後の1999年、3rdアルバム「Four Hours Light」をリリース。これが、賛否両論となります。というのも、従来の疾走感や攻撃的なバンドサウンドがやや減退し、じっくりと聴かせるタイプの方面へとシフトしたのです。従来のスタイルの更なる進化を期待していたファンにはやや物足りない内容となったかもしれませんが、ベクトルが変わったとはいえ楽曲のクオリティは相変わらず高く、より円熟みを増した名盤と言えると思います。

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 2001年には4thアルバム「Song Of Songs」をリリースします。この作品に関してはEMOの枠を超えて、カントリー、ブルース、フォーク等、様々なジャンルの音楽性を吸収した味わい深い作品となっていますが、疾走感や激しいバンドサウンドは影を潜めており、初期の作品群とはかなり異なる印象を受けます。

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 3年後の2004年末、原点回帰とも言える5thアルバム「Abandon Time」をリリースします。本作でかつての疾走感や攻撃的なバンドサウンドの復活を印象づけましたが、初期のような瑞々しさよりも、円熟味の増した骨太のロックという印象です。

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 2005年からは、事実上の解散状態となります。公式にアナウンスがあったわけではありませんが、メンバーはそれぞれに家庭や仕事で忙しくなり、音楽から離れることとなります。

 そこから長らく伝説のバンド扱いだった彼らですが、13年の時を経て、2018年、奇跡の再結成がアナウンスされ、来日公演も行いました。

■勝手に全アルバム格付け

 ※私個人の独断と偏見です。

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 やはり2nd「Sunday's Worst Enemy」が最上位評価。とにかく曲の完成度が圧倒的に高い。1stの疾走感と、3rdのじっくり路線、それぞれの良いとこ取りをしつつ、クオリティを極限まで高めた、EMOの金字塔。大傑作。

 次点は1st「Starmarket」。"S"でもおかしくないくらい、初っ端からキラーチューンが畳み掛けて来ます。ただ、2ndが凄過ぎるので一段下げてこの位置にしました。

 EP「Calendar」も1stに匹敵。ただスタマ史上最もハードで攻撃的なバンドサウンドなので、やや好みが分かれるかもしれません。激しいサウンドを求める方なら間違いない作品です。

 3rd「Four Hours Light」は"B"。
"Count With Fraction"や"Baby's Coming Back"など大好きな楽曲も多く、"A"でもおかしくないのですが、やはり初期のインパクトが圧倒的なので、この位置になりました。

 その次が5th「Abandon Time」。全体を通じて疾走感に溢れた作品ではあるのですが、初期と比較するとどうしてもメロディの良さでは劣ります。正直、アルバム全体の統一感で言うと一番下の評価でもおかしくないんですけど、#2 Cologneというスタマ屈指のキラーチューンの存在が評価を押し上げています。

 最後が4th「Song Of Songs」。この位置にはなりましたが、決して悪い作品ではありません。ただ、"スターマーケット像"からは最も遠い作品なのかなと。メロディの良さやアレンジの味わい深さに関してはAbandon Timeよりも上だと思います。

■名曲紹介

1. Carry On
2. Safe Bayou

 ライブでも屈指の盛り上がりを見せる、疾走感溢れる大人気チューン"Carry On"、メンバー自身が最もお気に入りの楽曲だというエモーショナルなナンバー"Safe Bayou"。数々の楽曲の中で、テイストの異なる2曲をチョイスしました。是非聴いて頂きたい楽曲です。

■最後に

 2019年の奇跡の来日公演は本当に最高でした。絶対に見られないと思ってた大好きなバンドのライブが生で見れたことは一生の宝です。興味を持って頂けた方は是非、ライブ映像を見てみてください。

2019/1/21(月) 東京 新代田FEVER
1. Count With Fraction
2. Carry On
3. Hate You Still
4. North
5. Cozy and Warm
6. Parking Lot
7. Hollowminded
8. Into The Well
9. Amber
10. Baby's Coming Back
11. Coming From The Cold
12. Into Your Arms
13. Ten Seconds
14. Repetition
15. Everybody's Gone
16. Safe Bayou
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17. Chuck
18. November
19. Losing Track
20. Your Style

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