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新譜レビュー

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新譜レビュー記事まとめ。
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8〜9月 新譜レビュー

8〜9月 新譜レビュー

 今回は、8〜9月にリリースされた新譜のレビューを書いていきたいと思います。

 順番はリリース順です。

The Hives 『The Death Of Randy Fitzsimmons』 00年代初頭、ストロークスやホワイト・ストライプスらがガレージロック・リバイバル・ムーヴメントを牽引。そこに続く存在の一角として君臨したスウェーデンの雄、ザ・ハイヴス。2012年以来、実に11年ぶりとなる6

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5〜6月 新譜レビュー

5〜6月 新譜レビュー

 今回は、5〜6月にリリースされた新譜のレビューを書いていきたいと思います。

 順番はリリース順です。

スピッツ『ひみつスタジオ』 スピッツ3年半ぶり17作目。私個人のスピッツへの思い入れとしては、隅々まで聴き込むまではいかないものの、新作が出たら必ず一周は聴くという程度。どの作品にも、バンドサウンド的にエッジの効いた格好いい楽曲が必ず1〜2曲はあって、それを探すのを毎回楽しみにしている。今回

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3〜4月 新譜レビュー

3〜4月 新譜レビュー

 もう5月も終わりですが、今更ながら3〜4月リリースの新譜レビューを書いていきます。

 順番はリリース順です。

Altın Gün『Aşk』

 トルコ系オランダ人の男女ボーカルを擁する6人組サイケロックバンド、通算5作目。彼らのルーツである60〜70年代のトルコ民謡を現代的に再解釈し、サイケ、ファンクの要素を付加した独自の音楽性を展開してきた。エキゾチックな独特のサウンドが癖になることは元よ

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1〜2月 新譜レビュー

1〜2月 新譜レビュー

 今回は、1〜2月にリリースされた新譜のレビューを書いていきたいと思います。

Måneskin『RUSH!』 イタリアから世界へ飛び出し、一気にスターダムを駆け上がった4人組。華のあるビジュアルと、ド派手なライブパフォーマンスが取り上げられがちだが、楽曲の質の高さも本物。人気を獲得したことで変に音楽性がブレることもなく、相変わらず初期Arctic MonkeysやThe White Stripe

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レビュー Oso Oso "Sore Thumb"

レビュー Oso Oso "Sore Thumb"

 NYのインディーロックバンドOso Oso(オソ・オソ)が今年の3月にリリースした通算4作目のスタジオアルバム、『Sore Thumb』のレビューを書いていきます。

 現代のインディーロック界で特にEMO要素が強いバンドとして知られている Oso Oso。EMOファンにはたまらない内容で、間違いなくハマるであろう要素に溢れてます。

 Oso Osoは、NY出身のSSW、Jade Lilitr

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レビュー Phoenix "Alpha Zulu"

レビュー Phoenix "Alpha Zulu"

 今回は、フランスを代表するインディーロックバンド、Phoenix(フェニックス)の新作"Alpha Zulu"のレビューを書いていきたいと思います。

 まずはPhoenixのキャリアについて簡単に振り返るとともに、その魅力について語っていきます。



 1997年、フランスのヴェルサイユにて結成。

 2000年、1stアルバム『United』をリリース。デビュー時から抜群のポップセンスと

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レビュー Alvvays "Blue Rev"

レビュー Alvvays "Blue Rev"

 今回は、カナダの5人組ドリームポップバンド、Alvvays(オールウェイズ)の新作"Blue Rev"のレビューを書いていきたいと思います。

 Alvvaysといえば、2017年に前作をリリースして以降、リリースはおろか、近年はライブ活動さえも全く無い状態でした。あまりの音沙汰の無さに、心配したファンの方も多かったかと思います。長い期間に渡る沈黙の間、何があったのかについては最近のインタビュー

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レビュー Whitney "Spark"

レビュー Whitney "Spark"

 今回は、シカゴのフォークロック・デュオ、Whitney(ホイットニー)の新作、『Spark』のレビューを書いていきたいと思います。

 まずはこれまでの彼らのキャリアを簡単に振り返っていきたい。

 2015年、前年に解散したインディーロックバンド、Smith WesternsのメンバーであったMaxとJulienの2人を中心に結成。"デュオ"と称される場合が多いが、厳密には彼ら2人以外にも固定

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レビュー The Beths "Expert In A Dying Field"

レビュー The Beths "Expert In A Dying Field"

 今回は、ニュージーランドの4人組、The Beths(ザ・ベス)の3rdアルバム『Expert In A Dying Field』のレビューを書いていきたいと思います。

 まずは、The Bethsのことをよく知らないという方のために、簡単に彼らのキャリアを振り返るとともに、その魅力について語っていきたい。

 バンドの中心人物となるのは、紅一点のフロントマン、エリザベス・ストークスと、リード

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レビュー Death Cab for Cutie "Asphalt Meadows"

レビュー Death Cab for Cutie "Asphalt Meadows"

 今回は、USインディーロック界の雄、デスキャブことDeath Cab for Cutieの通算10作目となるオリジナルアルバム、"Asphalt Meadows"のレビューを書いていきたいと思います。

 前作"Thank You For Today"のリリースから4年という長い時間が経過しているものの、その間には、フジロック2019における豪雨のWhiteステージでの伝説のパフォーマンスや、"

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レビュー TENDRE "PRISMATICS"

レビュー TENDRE "PRISMATICS"

 今回は、マルチプレイヤー河原太朗のソロプロジェクト、TENDRE(テンダー)の通算4枚目となるフルアルバム『PRISMATICS』のレビューを書いていきたいと思います。

 ちょうど1年前の2021年9月、前作『IMAGINE』でメジャーデビューを果たしたTENDREこと河原太朗。シンガーソングライターでありながら、自らベース・ギター・キーボード・サックス等、数々の楽器を演奏するマルチプレイヤー

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レビュー The Kooks "10 Tracks to Echo in the Dark"

レビュー The Kooks "10 Tracks to Echo in the Dark"

 今回は、The Kooks(ザ・クークス)の通算6作目、"10 Tracks to Echo in the Dark"のレビューを書いていきたいと思います。

 The Kooksと言えば、00年代中盤、アークティック・モンキーズと同時期にUKガレージロックシーンに登場すると、デビュー作が全英2位、2ndアルバムが全英1位に輝くなど、アクモンの影に隠れながらも着実な人気と実力を誇ったバンドで、個

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レビュー Beabadoobee "Beatopia"

レビュー Beabadoobee "Beatopia"

 今回は、Beebadoobee(ビーバドゥービー)の2ndアルバム、"Beatopia"のレビューを書いていきたいと思います。

 フィリピン生まれロンドン育ち、22歳の若き女性SSW、Beebadoobee。

 EPのリリースや、youtube、tiktok上での楽曲公開によって着実に注目を集めつつ、2020年にリリースした1stフルアルバム、"Fake It Flowers"で大きく飛躍。

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レビュー Sadurn "Radiator"

レビュー Sadurn "Radiator"

 今回は、フィラデルフィア発のインディーフォークバンドSadurnの記念すべきデビュー作、"Radiator"のレビューを書いていきたいと思います。

【収録曲】
1. Snake
2. Moses Kill
3. Golden Arm
4. Lunch
5. Special Power
6. The Void / Madison
7. White Shirt
8. Radiator
9. Ice

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