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変な家感想(動画版・小説版・映画版を読んだ見た)(2024/03/31)


原作たちはこちら!

動画版

小説版

オモコロテキスト版

わ~テキスト版あったんか?!なんか文章で読んだような記憶があったので探してみたらあったし~!ログを残してくれているバーグハンバーグバーグ!ありがとうございます!

BHBの原宿さん・永田さん・恐山さんによる感想



感想(と言うよりもほぼ愚痴&ネタバレ)


ネタバレあります!!!!!!!!!!!






テキスト&動画「変な家」感想

「変な家」はとある物件の間取りの違和感から発生するミステリーだ。
具体的に書くと一軒家の中に作られた不要スペースが実は隠し通路であったのでは無いかという推測から物語が始まる。

うーーーん……。

私はそもそもミステリーの類があまり好きではない。

一応、小学校のころにコナンや金田一少年の事件簿、シャーロックホームズ(教養漫画みたいなやつ)を通ってきているので、ミステリーというものの構造は一応わかっているつもりなのだが終始して
「そんなうまくいくのかね?」
という疑問が出てきてしまう。
ミステリーにでてくるトリックって、今すでにあるもの、構造が洗練されているもの、それらに何かが+されている感じなんだよな。
そういうのって、基本的に上手く行かないことのほうが多い。
何度もシミュレーションしている描写が出てくるけど…うーんでもなあ、何でもかんでも本番時にアクシデントが起きないことの方が珍しいと思う。通常のミステリーでは本番時に何かしらのアクシデントが起き、そこに気が付いた探偵役が謎を解き明かしていくイメージだ。
変な家ではこのアクシデントが一回も起こらないんだよね。
トリックのために物語がうまく転がりすぎている気がする。

上記の言及からちょっと逸れるが「変な家」で一番「そんなうまくいくのかね?」と思うのは「浴室と隠し部屋を行き来できる隠し通路が作られている」という点だ。
浴室……というか水回り……というのは、素人知識ながら排水にとても苦労しそうな印象がある。
台所・便所・浴室、これらの汚水を繋ぐ配管周りに10歳~13歳の男子が通れる空間を作る…。しかも1階を経由して…?!
う~~ん。ここらへんがありえるのかな~って思ってしまうのだ。
素人知識ながらなんだけど……水回り近くにそういった空洞スペースがあるの……なんか怖くない?可能なの?強度とか…大丈夫?湿気とか湿度とか水漏れとか……。
「片渕家おかかえの施工会社に頼んでいるから大丈夫!」って事なのかもしれんが…。
勝手なイメージだけど、建築物って国に対して「国から出ている建築のガイドライン守ってます!」みたいな申請とか図面とか出さなきゃいけない気がするんだよね。

わ~~駄目…!もうこんなたくさんの法律を見る気持ちになれません…!!!
まあ…あったと仮定してなんだけど、それらをすり抜けて申請するのであれば不動産で売りに出したときにあの不要スペースの記載されなくない?!って思うんだな。

つまり私は「不要なスペースが間取りとして公開されている」という事(物語の発端)に納得ができていないのだ。

次に水回りのある場所なんだけど(図面の中に東西南北が記載されていないので通常通り上を北として想定するんだが)、変な家では北と南に水場があるのだ。
これは……かなり珍しい間取りな気がする。
すんごい資産があるのかもしれないけど、一般的に水場がある方角って一か所だ。
排水する際に上から下に落とすことは簡単だけど、横移動させるのって一般家屋では難しいんじゃないのかな?だって屋内に傾斜を作らなきゃいけないでしょ?そんな事可能なのかな。
殺人のための家なんだからそういう特殊な間取りなんだよ!ということなんだろうか?う~~~~ん…。と言う感じ。
そんな事が現行の建築法で出来るのか?と思う。
ざっくりと一軒家二階建ての間取りを検索してみたけど、やっぱり変な家にでてきた「異なる方角に水場が二か所ある間取り」って見かけない。
お金をかければ、上記の施工が可能なのかもしれんが分からんかった!

なんていうか、やっぱ、結論ありき(こういったトリックを作りやすい舞台設定)の物語のように思えて、その気配に萎えてしまうのだ。
一見普通の間取りですが…という前置きに納得できない。
一見でも普通の間取りに見えないのですが?!?!という気持ちになる。

そう…ミステリーはこういう所が苦手。
「そんなのあり~?」みたいなトリックが現実的に可能なのかどうなのかが私(読者)が確認できない。
作者から出された設定を信じるしかない。どんなに都合が良い設定であったとしても「そうなんだ」と納得しなければ物語を読み進める事ができないのである。これがノイズになるんだよな~~。

ミステリーのおもしろさの一つに、おそらく「犯人側にとって有利な状況」を経験と知識で探偵役が暴いていく事があるんだろうけど、変な家は割と「状況証拠」からの「解釈」だけで物事が進んでいく印象だ。「解釈」の域を出ない。
その解釈がたまたま当たり、幸運が続いて、物語が進んでいく感があるのだ。

かなり悪口になるんだけど、変な家の栗原さんの推理を「そんな真実があったとは!!」と思ってしまう人は陰謀論にはまりやすそうだな~と思ってしまう。
状況証拠と印象(解釈)だけで「真実だ」と決めつけてしまうのはかなり危険な思考方向だ。物事を判断する根性が足りんだろ。
何かを判断するという時には必ず決定打、動かぬ証拠、それを行ったというであろう第三者からお墨付きを貰った物証(事件と関係が無い立場や機関からの規格や規則に則った判断がされた)が必要だ。それらを含めて複合的に「意味」を決める必要がある。私たちの生きる世界は、少なくとも日本は、私たちが思っている以上に法律と規格によって守られて運用されている。(ここ数十年で法律の網から取りこぼされてしまっている人たちがいるのも事実だけど)
私は現代、とりわけ日本が舞台の時、ここらへんの視点がかなり厳しくなる。なので気にしすぎ…という自覚はあります…。


シャーロックホームズにおけるホームズ、京極夏彦の百鬼夜行シリーズの中禅寺秋彦、彼らのように様々な知識を持って多角的に事象をとらえて推察&検証していくのがミステリーの面白さ格好良さだと思うのだが…栗原さんの推理は前述した探偵役たちのカタルシスまでいかないのだ……。
でもこれは私がミステリーを全然読まないせいかもな~とも思う。
ミステリーに親しい人であれば栗原さんの言動はミステリーあるあるなのかもしれないし。

ううむ…。

小説版のほうは、主に会話で物語が進んでいく。
これ、たぶん今の人は読みやすいんじゃないかな~と思う。
私はどうだろうな~、こういうの。う~~~~ん……。
構造としてはかなり好きな感じだ。
姫野カオルコ先生の「ラブレター」とか夢野久作の「瓶詰の地獄」とか芥川龍之介の「藪の中」とか宮部みゆき先生の「長い長い殺人」とかさ、構成の内容は違うんだけど…なんかさ…こう俯瞰じゃない目線、主観だけで物語が進むのって何か良いんだよ!
といっても変な家は上記にあげた小説よりはサウンドノベルに近い印象があるな~。
オモコロウォッチで言及されていたが、変な家は「本をあまり読まない人(みくのしんさん)に向けて作られた物語」とのことで、その狙いがはまつている感じがある。
んが……私は先にあげた小説を読み、サウンドノベルもちょちょっと知っている身なので……、正直、変な家はどっちつかずの印象だ。読みやすいな~と思う反面、先にあげたような小説たちの中にある超主観的表現の積み重ねから起きる違和感から読者が物語の全貌を推察するカタルシスの読書体験にはおよばず、かといって選択肢が自分で選べることの「物語の主人公=自分」というサウンドノベルの没入感はない。


う~~~ん……。


私が変な家(雨穴さん)でおもしろいな~って思うのは、どうしてここまでこの動画が流行ったんだろう…というところだ。
「つまんねーのになんでここまで流行ったんだよ」っていう意味では無くてね…。
気が付いたら雨穴さんはポップカルチャーの真ん中にいた。その起点ってどこからなんだろ~~って思ってさ。コロナ禍での巣ごもりからかな?
私はでっかい肉を外に干す記事から雨穴さんを知っていて、その時から雨穴さんのスタイルって変わっていないのに変な家からいきなり?!と言う感じでびっくりなのだ。誰か教えてクレメンス。


凄い長くて恐縮なんですが、ここから映画版の感想に行きます…。

映画「変な家」感想

映画版は原作小説から削られたり改変されたエピソードがあるが、文庫本版で追加されている栗原さんのエピソードをきちんと踏襲する形になっていて私的には決して原作を蔑ろにした脚本には見えなかった。(もしかしたら順序が逆なのかもしれんが)
しかし、諸々の都合上変わったんだろうな~という改変もあるので萎えてしまう部分が無いわけではない。
それでも、私は泣けたよ。この映画。
義兄弟の浩人君を守るために、桃弥君が片淵家の洗脳を振り切った時はボロボロ泣いてしまった。血を分けた訳でもない、面識があるわけでもない、でも桃弥君にとって浩人君は守らなきゃいけない弟だったんだ!って思った時に、オオンってなってしまった。
そして、桃弥君が浩人君を守らなくっちゃって思ったのは綾乃と慶太に十分な愛をもらってたからだよね。大切な2人が産んだ、大切な子供だから、君にとっても大切な兄弟だったってことだよね!

そこにある愛が尊くて私はオロロンとなってしまったのでした。

あと、古い日本家屋の美術がすっげ~~~~~よかったな~。
古い日本家屋の経年劣化の汚さと乾いた木特有の清潔感、地方独特の宗教による祭壇…この美術がよかったな~!めちゃくちゃ力入ってたよ!
良いもの見させていただきました。

全く関係ないけどこういう因習&オカルト&ミステリーものだったら韓国映画のコクソンがおすすめだよ。

さ…さんぜんごひゃくもじの感想…?!
(追記して4100文字になりました)
わ~
長いな!お疲れさまでした!
私は副業をちょっとやって寝る!!


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