アーティストの情報設計は、パチンコと一緒。
デジタル時代において「アーティストの情報設計」が益々重要になっています。設計が上手くできていると、自然にファンが増えていきますし、設計が上手くできていないと、ファンはなかなか増えません。
イメージは、パチンコ
「アーティストの情報設計」のイメージは、パチンコです。
たくさんの玉が自然と穴に流れていくように、釘を調整していくことが重要です。「綺麗に」「ストレスなく」「ワクワクしながら」流れていくように釘(情報)を調整(設計)していきましょう。
(賭博黙示録カイジ#第3章「欲望の沼」より)
パチンコなので、玉が流れるように「細かい釘設定」が重要になります。
レコード会社時代、この「細かい釘設定」を変えただけで売上がかなり伸びました。Mステ出演と同じくらい、この「細かい釘設定」が重要だと考えています。
各サービス・SNSで具体的に何をすればいいのか?
これについては、松島さんのnoteが本当にわかりやすいので、ぜひご一読ください。既読の方は実行に移していただければと思います。
私のほうでは、上記記事を前提としながら、
1.「パッケージ売上が大きいから、まだまだパッケージにつなげなきゃ」
2.「リリース時に、どうしたらいいんだっけ?」
上記視点での、アーティストの情報設計をまとめていきます。
そもそも、アーティストを構成する情報って?
情報設計を考える前に、アーティストを構成する情報について考えます。アーティストは、大きく下記3つで構成されると考えます。
1. WHO:誰なのか(Personality)
2. WHAT:何を創って、どんな価値を提案しているか(Creative)
3. WHY/HOW:どうして?どうやって?創っているか(Story)
この3つの情報要素の三角形が、ARTIST像を作り上げます。
つまり、この三角形を一貫して相互作用させ連携し続けることが基本です。どこかが欠けるとふわっとしてしまいます。
WHO、WHAT、WHY/HOWリスナーによって重視するポイントは様々です。プロモーション時は、無意識下で偏らないようにしながら、アーティストをプロモートしていきましょう。目的があって、意識的に強化していくのはとてもいいことですので、アーティストの個性によってアレンジします。
三角形の連動を意識すれば、例えばこのような効果が生まれます。
WHY/HOW ←→ WHAT
語られる「影響を受けた音楽」や「文脈」が音楽好きリスナーに刺さり、文脈となって楽曲を強化される。
WHAT ←→ WHO
一貫したビジュアルイメージやMVから、人となりを感じさせる。
WHO ←→ WHY/HOW
制作ドキュメンタリー・インタビューで語られる言葉で、アーティストの人物像を形成し、ストーリーを強化
「今、リスナーからどう見られてるんだろう?」と、わからなくなった時には可視化してみましょう。要素を出来る限り全て印刷して、自宅や会議室で三角形それぞれに並べてみてください。そうすると「あれ!?一貫性ないな」とか、「ここ弱いから強化したほうがいいな」とか、改善ポイントが見えてくると思います。
人は目で判断する傾向が強い種族です。
可視化すると「物量」と「相対」と「結びつき」で判断できますので、圧倒的にオススメです。人間の本能に任せましょう。
このときの注意点は、必ず言語化することです。
人に説明する時あやふやなことしか言えないのと同じように、「感覚でわかった」と「理解した」は違います。きっちり理解して、言語化することを忘れずに。
下記「ゴールデンサークル」を見ておくこともオススメです(字幕有)
アーティストの情報設計
「アーティストの情報」が整理できたので、いよいよ情報設計に入ります。各サービス・SNSでの詳細な設定は前述・松島さんのnoteをご参照ください。このnoteではそれらのサービスをどう連携させるかをお話していきます。
では、リリースにおける情報設計がこちら。
一言で終わらすと「LPをハブに、出来る限り相互作用させ、ALBUMへ繋げる」以上です。
当たり前ですが、この当たり前なことを当たり前に行うのが重要です。
LP ←→ 各ストリーミング ←→ SNS
LP ←→ YouTube ←→ 各ストリーミング
LP ←→ パッケージ・グッズ販売サイト
LP ←→ 各SNS(各SNS間も連携)
LP ←→ Website・FC
- 注意点ポイント -
ストリーミング時代ではありますが、ストリーミングの再生回数を伸ばしたりするのは「手段」です。あくまで「目的」は別のところにあるはずです。アーティストのゴールをチームで設定して、そのゴールに向けて何が必要かを考えて、着実に実行していくことが重要です。
情報設計は、初動が命
この情報設計はリリース告知タイミングからスタートしなければなりません。むしろ初動が全てです!
Amazonのベンダーセントラルで自身の売上がチェックできる方は「解禁日〜発売日〜発売1ヶ月後」で毎日のデータを確認してみてください。
解禁日の注文数に驚くと思います。「こんなに解禁日に注文入ってたのか...」と。
初動で予約してくれるファンのために、ファンが予約しやすい状況を作らないといけません。ですので、もちろんLPも告知のタイミングから立ち上げます。
時系列を「発売告知」→「Teaser」→「Release」→「Aftter」に分けるとこんなイメージです。
LPを挟まずダイレクトにアクセスさせたほうがいい時ももちろんあります。たとえばMVの公開とか、プレイリストの公開とかダイレクトにした方がいい時です。「目的は何か?」を常に考えて、ベストな選択肢を選んでいきましょう。
LPなんて作れない!!
LPなんて予算が無くて作れない!そんな時は、2つ方法があります。
1. Linkfire / Odesliで代用(簡単)
2. NoCodeサービスを使って、自分で作る(ちょいと手間)
1. Linkfire / Odesliで代用
(Linkfireより)
<img alt="画像4" src="https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/24164173/picture_pc_94005d84422b8ba1bf57e1b6458acff5.png" width="413" height="851" style="width: 247.8px; height: 510.6px;">
(Odesliより)
みなさん使っているのでご存知な方が多いと思いますが、LinkfireやOdesliでLPの代用ができます。OdesliのほうがUIいけてますね!ただ分析機能がどうやら無さそうなので、無難にLinkfireな気がします。
Streaming OnlyであればLinkfireがノンストレスだし良さそうです。ただし、これらのサービスはGoogleタグが埋め込めないのが難点です。
2. NoCodeサービスを使って、自分で作る
2つ目は、NoCodeサービスを使う方法です。
LPなら、web制作会社に発注しなくても自分である程度は作れちゃいます。今、私自身勉強中ですがこの、STUDIOというサービスが日本語対応していますし、使えそうです!
月額980円のBasicプランに入れば、Googleタグも埋め込めます。
ファンに集まってもらうべきは、LINE。
こうやって相互な情報設計をすることで、ファンはどんどん増えてくれます。そこで出てくる悩みがあります。
「ファンの実数がわからない...」
Twitterが特にそうなのですが、複数アカウントによって1人しかフォローしていないのに、アカウント上は2ユーザーフォローされている。こういったことが起きて、実際のファンの人数がわからなくなります。
ですので、フォロワー = 1人であるLINEアカウントへどんどんフォロワーを誘導していきましょう。そうすることでファンの実数を把握することができます。
「情報を広げるTwitter」、「ファンに情報を届けるLINE」。SNSの優位性を理解して、マクロとミクロな視点で上手に活用することが重要です。
ちなみに、、、LINEが発表しているMini Appがそのうちアーティストアカウントにも実装される気がします。これが実装されればLIVE体験とかグッズ販売とか色々変わります。その時のためにも、LINEにファンを誘導していきましょう。
LPって特設サイトと違うの?
最後にLPと特設サイトの違いをまとめておきますね。
LPとは、Landing Pageの略です。
よくゲームとか化粧品とか、広告クリックすると飛ぶペライチのサイトです。ゲームだとインストールしてもらうことを目的に作りますし、化粧品だと購入してもらうことを目的に作ります。
つまり、音楽に置き換えると「作品の購入・視聴」が目的となります。
こちらのサイトにたんまり事例が置かれてますので、ご参考に。
で、LPって特設サイトのことじゃないの?
定義によって違いますが、音楽だとこういう考え方になります。
特設サイト
作品の世界観を表現し、作品への好意度を高めるもの。オリジナルコンテンツがあり、オリジナルコンテンツ目当てにアクセスされる。費用はかかりがち。
例:ドレスコーズ 「ジャズ」特設サイト
12人のアーティストや文化人が、12曲に対し寄稿。
LP(ランディングページ)
CV(コンバージョン)を目的とするサイト。CVの目的は作品の購入誘導だったり、ストリーミングへの視聴誘導だったりそれぞれ。あくまで目的はCV。特設サイトに比べて費用は抑えられるが、更新が必要。
例:MOMOIRO CLOVER Z RELEASE COLLECTION
各作品のLPでありながら、他作品のLPや、ヒストリーへのアクセスまでできるLPの進化系ですね。
まとめ
「アーティストの情報設計」は、全サービスを活用したシームレスな導線設計です。
大きな視点で全体がスムーズに作用しているかチェックしながら、細かい視点で、各サービスでできることを最大化していきます。プロモーション計画を作る前に、「アーティストならではの情報設計」をしてもらえると嬉しいです。
ご拝読、ありがとうございましたー!
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