名曲359 「ジンギスカン」【Dschinghis Khan】

ーーこの世に生を受けた者なら、一度は心躍っただろうーー

【ジンギスカン(1979) 歌詞付き】

 そろそろ寒くなって鍋の季節になってきた。鍋といえばそう、ジンギスカンである。ジン、ジン、ジンギスカ~ン。……そういえばあの曲があったではないか。

 ジンギスカンはドイツの曲だが日本にも非常になじみのある曲である。私も幼いころから知っていた。それはちょうど年代だったからではなく、79年から90~00年代にかけてずっと受け継がれてきたからである。小学校でこの曲を踊るイベントがあったのだ。

 それは自分の学校だけではなく、どうやら全国共通だったようで、同じ経験のある方だらけだのではないかと思う。当時はレクリエーションの大会だったか何かで、最後の閉会式に必ずこれを歌い踊った。確か歌詞もちょこっと歌えたはずなのだがもう記憶に残っていない。ジン、ジン、ジンギスカ~ン。そう、これだけ。

 どうしてこの曲が日本で何十年も受け継がれてきたのかは置いておき、個人的には地球史に残るレベルの曲だと思っている。歴史の転換点。1000年後に「音楽の歴史」の授業があったとして、教授が「1979年にジンギスカンという曲が誕生しました」と取り上げるくらいに。唯一無二のメロディー、テンポ、歌いやすさなのだ。

 それにしても元気が出る。センターのおじさんが頭空っぽにしたように踊っている姿を見て笑みすら浮かべてしまう。キレッキレの動きで着ぐるみのマスコットキャラクターでもいけちゃいそうだ。サビまでは乱雑に踊り狂っているのにサビでちゃんと皆と合わせて腕を振っている姿がスカッとする。

 そして最大のポイント、皆が聞きたいサビまでも短い時間なのがいい。3分ちょいの曲なので必然的にそうなるわけだが、いまのご時世だったらもうちょい冗長化してしまっていただろう。小細工せずガツンと主張をぶつける姿がいい。

 鍋を思い浮かべていたら図らずも小学生時代に思いを馳せてしまった。皆さんもこの曲を聴くと思わず腕を振り上げてしまわないだろうか。歌詞がわからずともこれだけ陽気になれるなんて音楽は素晴らしい。

       【今日の名歌詞】

先頭を駆ける男、その名もジンギスカン(日本訳)


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