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バッハ エピソード21 カリキュラムのシステム化

バッハはオルガニストになった20歳前後には弟子がいて、音楽家教育を始めていました。「もっとも傑出したオルガン奏者でありクラヴィーア奏者」と称されたバッハ。ワイマール時代には弟子が十数人になっていました。

弟子たちの人数も増えたので、バッハはしっかりとレッスンのカリキュラムをシステム化していました。

伝記作者のフォルケルによると、
最初の打鍵法が特徴的で、何ヶ月もの間、両手の全ての指の練習を1本ずつ単独でやらせ、常にはっきりとした澄んだ音が出るように注意させました。
この練習を免れることができる生徒はおらず、この練習に辛抱できなくなった生徒には、小曲集を与えたといいます。
今ではこんな練習をさせられたら飽きて辞めてしまいそうですが、基礎をしっかりと身につけさせていたんですね。

1.オリジナル打鍵法(半年〜1年)
2.クラヴィーア小曲集
   楽典の基礎と運指法
3.インヴェンションとシンフォニア
  カンタービレ奏法
4.組曲 
  舞曲の基本
5.平均律クラヴィーア曲集
  フーガの訓練
6.ヴァイオリンソナタ 
  通奏低音の演奏法

さらにバッハは筆写(楽譜を書き写すこと)をすることも勧め、弟子たちはバッハの作品を自由に研究することができたといいます。
バッハの自筆譜が残っていなくても、このような弟子の筆写譜によって現在まで残っている作品が多数あることは本当に嬉しいですね。



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