メイクと結婚は似てるかもしれない。

メイクも結婚も、するのが当然だと考えている人が大半だ。したい人、することで幸せになると考える人が大勢いる。
私はどちらもしたいと思わない。しないことで幸せな心持ちを維持できている。

メイクや結婚をする人を否定するわけではなく、私のほうが幸せだという考えもない。
しようがしまいがどっちでもいい。

他人と暮らすのが私には無理そうだと分かったのは過去2回のシェアハウス経験で。
メイクは楽しんだ時期もあったが、就職して義務感でするようになると怠った日は罪悪感を覚えた。顔がよくかゆくなる。いっそやりたいときだけやろうと決めたとたん、心が格段に軽くなった。どれだけの重みが精神面に影響していたか実感した。

メイク必須の女性に聞くと、すっぴんだと恥ずかしくて外に出られないと言う。しなくて外に出られるのがうらやましいと言われる。

私は自分の顔に自信があるのではない。うらやましいと感じてしまうのは、メイクを楽しんでいる面は合っても、その根幹に「しなければならない」という強迫観念があるからだろう。

かつてメイクのレッスンを受けたことがある。テレビにも出ている人気講師で、評判もよく、売っていた化粧品も物が良かった。でも残酷なことに、あくまで私にとっては、このことがメイクの限界を知ることとなってしまった。詳細は省くが、無理なんだ、もう諦めなきゃいけないんだ、と大号泣した。その結果、私は0か100かの極端な考えなもので、チークやアイシャドウもしていたのが、下地とファンデのみになり、眉毛だけでいいや、眉毛ふさふさだしメイクする時間あったら寝るわ、と一切やらなくなった。
これは別にうらやむものではないだろう(笑)

一般的な女性は顔のいろいろが恥ずかしいようだが、男性は同じように顔にしみやしわが現れても、ショックだったり悲しかったりしないんだろうか。

WEBのスクールで、男性講師が「今日は女性の顔のゴミを取る作業をPhotoshopでしてみましょう。」と言ったことがあった。
それを聞いて友人が私に愚痴ったのは、「歳を取ったら人間誰しも必ず現れるものをゴミと言うのだったら、それを女性にのみ言うのはおかしい。あなた(男性講師)の顔にもゴミついてますけど?って話じゃない。古い価値観だよね。」ということだった。
世間に浸透している価値観というのは、誰かから疑問を投げかけられないかぎり、「これは誰かが決めた価値観であって私が考えて決めたものではなかった」ことに気付かないものだ。そんな疑問を面倒に感じて「昔からそういうものだから。」「みんなそうだから。」と思考停止する人もいるが。
その先生は講師としてとても尊敬できる人であったので、そのときはあえて言わなかったが、おそらく前者、言えば伝わる人ではあったはず。

私のような者は少数派であるので、少数派というのは存在に気付かれていないわけだからお知らせしようと、そういう話になったら積極的に人に話すようにしている。LGBT、障害持った人、肌や瞳の色が違う人、その他「何この人変」って思うのは、自分が見慣れない相手に自分が勝手にびっくりするだけだ。人は100年生きても知らないことは必ずあるわけだから、知ればいい。自分の生きてきたわずかな歳月で知りえなかったという理由だけで驚いてみせるのは、「私は無知です。井の中の蛙です。」と大声で言っているようなものだ。

「結婚しない」については、同情や哀れみ、励ましの反応が多い。
「これから良い人見つかるよ」→どうして見つけなきゃいけないの?
「なんか嫌なことでもあった・・・?」→嫌なことを避けるための考えなのだ。

シェアハウスに住んだことで、私は自分が、綺麗好きの母による無菌空間で育ったことを悟った。私の「綺麗」の感覚はおそらく人より基準が高い。
共用のやかんに水以外の緑の液体が出てきてパニックになり母に電話して泣きついたことがある。お茶のパックを入れて沸かす人がいたのだが、それを不潔だと感じる。毎回やかんの内部の掃除をしているなら別だが。
母はお風呂から出るたび毎回、浴槽と壁と床をタオルで拭いて一滴も水滴を残さない。普通にテレビを見ていても髪の毛が床に落ちていたら拾い始める。

難しいのが、同じ「綺麗好き」でも人それぞれ「綺麗にしたいところ」が違うのだ。綺麗好き同士結婚するというのは、綺麗にしたい箇所が同じか確認しなければならない。無理がある。疲れる。

仕事で辛いことがあって泣きながら帰ってきた時、そのことに気付かなかったのか、同居人から話しかけてこられたのが嫌だった。

部屋は個室で独立していたが、個室にいるときに部屋の外に誰かがいるのが気配で分かっただけでも嫌だと感じる時があった。もちろん誰かの存在が安心するときもあったが。

世の中恋愛ソングがはびこってるから、結婚=ゴールの認識の根が深いわけだけど、私は小学生時点で恋愛ソングばかり流れていることが疑問だった。そしてメイク同様、することを考えなくなったら心が楽になった。

どんなに仲のいい友達とも同居はしたくない。私は元来、どうも人に依存する傾向があるようなので、危険だと思う。寄りかかりすぎて関係が崩壊してしまいそう。
先日、上述の「お知らせ」をしたとき、「家事とかしたくないなら、それが得意な人を旦那さんにすればいいんじゃない?」と言われたが、絶対嫌だそんなの。私は将来的に家事など自分が苦手なことは外注したいと思っているので、「家事代行サービス」が現実にある中で無償でやってもらうなんて「旦那さん」が可哀そうすぎる。お金払って他人にやってもらうから、私も「旦那さん」もやらなくていい。

先ほどお風呂から出て髪を乾かしながら鏡を見たら、どうも最近、前はいなかったニキビがおでこに赤く常駐している気がするな・・・と気付いた。なんでいるんだろうなあ。気になるけどヒンドゥー教徒の女性も赤いのしてるし(あれは既婚の印らしいが)、ちょうど赤好きだし、まあいいか、と受け流しながら考えたのであった。

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