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とある「SNS起業塾」に行ってた時の話。

「起業女子」とか「SNS起業」というのは、もはや死語になったのだろうか。あまり最近は見なくなった気がする。(私がFacebookを切ったからかも知れないけど)

起業女子向けの講座や「好きなことをやろう」的なセミナーにたくさん参加していた時期があり、それぞれ行ってみて思った自分なりの感想や、振り返りを書いてみたいと思う。3年くらい前の話なので、お焚き上げのために書くので、笑い話として読んでもらえたらと思う。




当時会社員だった私は、趣味で始めたアクセサリー作りやレジンでのハンドメイドにハマっていて、「このままこれを販売して仕事にしてみたいなぁ」と思い至る。友達が買ってくれたことが嬉しかったことや、心理学系の講座に通っていたこともあって、そこは、好きなことをすることを応援する空気もあったので、それを後押しにして「やってみよう!」と思ったんだと記憶してる。

で、そのままでは自信がなかったので、1ヶ月サポートのついた、とある起業塾に申し込んだ。講師の方はとても優しい人だった(今でも優しい人だったなと思う。強制されたことや怒られたことはなかった)

講座を受けて、私は張り切って課題をこなした。あの頃流行っていた手法で、アメブロ読者登録や、Facebook友達申請、コメントで交流など、とにかく「人と繋がり、その中で求められていることを売る」「売るものはなんでもいい。とにかく売る経験を積む」というような主旨だったと思う。


冷静に考えたらツッコミどころがたくさんあるんだけど、それで成功してる人もいるわけで…と思い、私はとにかく頑張った。

商品を作り、ネットショップを作り、イベントに参加し、人とコラボをし、コメントをし、ブログを書き、交流会に参加し…と、とにかく動き回った。

初期で人が応援してくれたことも手伝って、お陰様でアクセサリーとかの物販のみだったにもかかわらず、そこそこに売り上げた。目標とされる金額の倍は売ったと思う。ちょっとだけSNSのとある界隈で知られるようになった。


楽しいところもあったけど、1ヶ月を過ぎて、私は一度ぶっ倒れた。

相当な無理をしてたんだと思う。自信のなさを払拭するために動き回っていたところもあるし、とにかく結果を出したかった。


自分の動きについてもツッコミどころが満載なのだが、「ちょっと違うかも」と思ったので、結局そこの起業塾のコミュニティには馴染めなくて、後日そっと離れた。


思い出した限りでだけど、反省とツッコミを。

・「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的な戦法に、とにかく疲れた。

Facebook友達申請やアメブロ読者登録、SNS更新など、確かに当時は勢いもあって、反響もあった。だけど、書きたいことがないのに書くのはしんどい。そもそも物販だとそんなに書くこともない。(ブログ診断とか無形商材の場合は向いてるのかも…とは思う)制作中の写真とかコーディネートとかはあげられたけど、そんなに毎回ネタがない。笑

あと、お知らせを定期的にすることが大事なのはわかるけど、それならそれで告知の仕方を洗練させた方が良かったんだろうなと思う。


・そもそも営業が苦手。営業的手法も苦手。

多くの人と接点を持つ、ということがとてもストレスだった。もちろん、関わってくださった方には感謝してるし、その中で今でも付き合いのある大事な友人にも出会えたので、良かったこともたくさんある。

だけど、そもそもハンドメイドが好きな理由が「ひとりで集中して黙々と作業出来る時間が好き」という理由だったことを思い出してもらいたい。そんな自分が、大勢と関わり、交流したいのか、出来るのか…というところを根本的に見落としていた。見落としていたというか、「これが売れる手法で正解なら仕方ない。我慢しよう」という思考回路だったんだよね。だから、苦痛とか気にせずやった。ある意味心を無にしてやった。心を無にしないと出来ないので、当然お客様のことも見えなくなる。「頑張ったのに上手くいかない!」みたいな不満も出てくる。

あと、起業塾だから仕方ないんだけど、お互い自分の売り込みのために交流するので、交流会とかやりとりが苦しかった。なんかみんなで必死に名刺交換とかしても、別に何にも繋がらない感じがしてダメだった。交流会というか営業会だった。あのガツガツした空気は苦手すぎた。


・そもそも物販は作り手が目立つ必要ない説。

これは本当に、そもそも論なんだけど、ハンドメイドの雑貨とかアクセサリーとかって、作り手の人より、商品がそこそこ可愛くて買える値段だったら「買う」っていう性質のものなんだと思う。ある意味、店(買う人がいる場所)に見栄えよく並べたら、それで一定数売れるものなんだよね。

だから、今更すぎるけど、自撮りとか自分のことをアピールする必要なかったんじゃないかと思う。起業女子界隈では「自分を目立たせる!」ということが正義で、そのためには様々な自撮りをしたり、投稿してたけど、物販に関してはそれは必要なかったのかもしれない。注目してもらいたいものは自分ではなくて商品だった。

そして、私は何とか顔出しする理由づけとして、無理してアーティスト風アピールをするという方向性に行ったりしたんだけど…笑。こういうのは「自分を等身大よりもよく見せたい」という気持ちが強く出てしまって、本当にダメだったなと思う。


・根本的な値段設定とか、そういうのが甘かった。

価格設定の仕方や、原価のこと、利益のこと、イベントに出た時の収支…などなど、とにかく杜撰だった。正直、起業塾ということで、そういう価格のことや会計や宣伝の仕方が学べるのだと思ってたんだけど、違ったんだよね。そこも「あれ?」と思った部分ではある。なんか自分も含めて、みんな割と「このくらいの金額で」とか「目標金額が○円なので、3000円の商品を○人に売りましょう。売れるまで走りましょう」という感じで値段つけてた。それはそれで具体的にお金になるし、そもそも一度もものを売ったことない時にはいい体験なのかも知れないとは思う。だけど、ペース配分とか自分の人件費とかを無視しすぎたなと思う。


・コミュニティ内でしか売れない。

ずっとそこのコミュニティに居続けないといけない。閉鎖空間内でぐるぐるお金がまわっている感じがしてきて、それもなんか広がりがないな、と思った。


・根本的な構造への疑問。

この手の塾は、なぜか起業した人が、ある程度の売り上げを上げると、「起業支援セミナー」を始める。「月商7桁」なんてのはよく聞いた言葉で、大いに憧れもした。だけど、よく観察していると、もともとはオリジナルメニューで売れた人が、何故かいつのまにか「起業コンサル」の類の商品に変わっていく。つまり、起業したい人→起業→起業コンサルと推移していく。結局、実体がない商売ばかりしてる人が、コンサルをする、ということになる。それっていつまでも自分の成功体験を売ることになるわけで、そうすると「今」をとらえられないように思う。どういうことかというと、保険の営業とかもそうだったんだけど、昔ながらの人ほど「昔は家に押しかけて契約もらったんだ。だから何度も通え」とか平気で後輩に言うわけ。でも、今どきのお客さんは、家に押しかけても、苦情にこそなれど、契約には至らないわけ。これは極端な例だけど、こういう感じのズレがだんだん生じてくるんじゃないかなと思う。


…などなど。

まぁ、色々書いたけど、つまりは「自分で考えて、自分の責任で行う」という意識が低かったことと、本来知るべきところを不勉強のままで走り続けようとしたんだなと思う。そりゃガタも来るよな、と。


こういう起業の仕方が悪いのではないし、一定数効果のあるやり方なんだと思う。実際ある程度売り上げていたし。なかにはここからスタートして、自分で努力して、本当に成功して人生変わったという人もいるので、結局その人それぞれだとは思うのですが。自分が苦手なことや得意なこと、効果的な方法、効率の良さなど、もっと検証すべきことがあったんだと思う。


思ったより長くなったので、続くかも。








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