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【7/8阪神戦●】ヤクルトは「日々」のありかを教えてくれるもの。

朝から枡田絵理奈さんと「聴くコラム」ならびにvoicyの収録。そのあと別の打ち合わせがあり、夕方からは交流会。ということで、朝から夜まで都内のスタジオにこもって作業していた。

お昼前、打ち合わせを終えたくらいで、ショッキングなニュースがとびこんでくる。さすがに受け止めるのに時間がかかり、一日引きずる。(というか今もまだ引きずっていてランニング日記にそのことばかり書いている。)でもちょっと、あとから思うと、あのニュースを見た時に一人でなくてよかったな、と思う。信頼できる仕事仲間と一緒にいてよかったな、と。その時の気持ちを、まとまらないままに、なんとなく話せる人がいるって、すごく大切なことだ。

「やっぱりみんな鬱憤がたまってるのかな…」と、若いスタッフとランチを食べながら言おうとして、つまり、「原因」を勝手に推測しようとして、いやいやいや、と、慌てて思い直す。まだなにも詳細がわかっていない状態で、勝手に推測して、自分よりずっと若い子にあれこれ話しちゃぜったいにいけない。それは子どもたちにしちゃいけないのと、同じだ。とにかく、「しんどいね…」という、今の正直な心のありようを、同じように共有する。

夜まで家をあけることになっていたので、子どもたちにも「あまりテレビでニュース見ないようにね、心つかれちゃうといけないからね」とメールをする。息子からは、「うん、テレビはヤクルトだけにしとく。それでも心ちょっとつかれてるけど…」と返信がくる。

息子は基本的にちゃらんぽらんで明るくそしていいヤツだけれど、最近自分で気づいたらしいのだけれども「血がものすごく苦手」ということだった。たしかに、小さい頃から「戦いもの」のアニメとかはぜんぜん見なかった。「鬼滅」もまったく見ない。自分で自分が苦手なことを知るってすごく大事で、それがわかっているだけでもある程度、自衛ができる。もちろん、全部が全部避けては通れないし、少しずつ慣れていく必要だってあるかもしれないけれど、でも「これを見ると落ち込んでしまう」ということを知っているのは、大人でもすごく大切だ。

だからあらゆるところから飛び込んでくる暴力的な映像を今日はとにかくあまり見ないようにするためにも、ヤクルトの試合を見るというのは良い選択肢である。

そんなわけで私も夜に向けて前日の観戦エッセイを書きながら気持ちを落ち着かせ(私にとって「書く」というのはたぶん、一種の「治癒」行為みたいなものなのだと思う。)、夜のイベントに備えた。イベントはまあこんな状況もありかなりゆっくりまったりしたものだったので、iPhoneでDAZNをつけた。(なんならスクリーンで試合を流そうかと思ったけれどもそれはさすがに編集長が止めた。賢明な判断である。)

イベント中、バタバタしながらふとiPhoneの画面をのぞくと、んもう、あれよあれよと点を取られていた。「なんじゃい!!!!!!」と、私は言った。「なにこれ!!!!!」と、息子にメールを送った。心が疲れちゃいけないからヤクルトの試合を見るのはたいへん賢明な判断だが、ヤクルトの試合だってたいへん疲れることをすっかり忘れていた。

でも、心底、心底、そういうことを言い合うことができてよかったと、私は思った。私の日常に、当たり前の日々に、ヤクルトがあってよかった、と。その試合がどれだけ疲れるものだったとしても、そんな疲れであれば今はいくらだって、受け入れていけると思った。

どんな時だって、できることはこうして、ふつうの日々を営むことだ、と私は改めて思う。目の前の人たちと、大好きな仕事を大切にしながら、慈しみながら、私は私の日々を営むこと。その「日々」のありかを教えてくれるのは、私にとってはヤクルトなのだ。それが、日々を知る道標のようなものなのかもしれない。

私には仕事があって、仕事仲間がいて、家族がいて、そしてヤクルトがある。(負けども、負けども。)今はその日常を大切に、していこうと、そう思う。

さてそんなことを言っていたらヤクルトたちにはさらなる困難が襲いかかり、大変なことになっているわけですが、まあ、なんだってずっとうまくいき続けることはない。うまくいきすぎているときは何かしら、振り子のように、大きなピンチがやってきたりするものだ。でもここを乗り越えたらほんとうに、ヤクルトは最高のチームになっていくんじゃないかという、そんな予感もする。少しだけ、このヤクルトで戦うのが楽しみにも思える。

どんな時だって、その時にできることをするしかない。ヤクルトだって、私だって。

がんばれみんな、ピンチはきっと、チャンスにつながっていくから。きっと、誰もがみんな。

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