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【8/13阪神戦●】「歩道の隙間から顔をのぞかせる雑草も美しい野生の花となる」

ポール・ペンジャミン(実はポール・オースターのブレーク前の別名義)の『スクイズ・プレー』という小説を読んでいる。チャンドラーのマーローリーズがとにかくとにかくとにかく好きな私にとっては本当にたまらん楽しい小説なのですが、ここにこんな一節がある。

「熱烈なファンにとっては贔屓チームの勝ち負けがその日の気分を決める決定的要因になる。応援しているチームが勝てば、舗道の隙間から顔をのぞかせる雑草も美しい野生の花となる。自然の不屈さを証明するものに。応援しているチームが負けると、とたんに雑草とひび割れた舗道と醜さに取り囲まれることになる。」

ポール・ベンジャミン. スクイズ・プレー(新潮文庫) (Japanese Edition) (p.135). Kindle 版.

と、いうわけで私は今、雑草とひび割れた舗道と醜さに取り囲まれている。仕方がない、これはもう、日本でもアメリカでも今も昔も変わらない事実なのである。諦めるしかない。

そんなわけで私はまた、解説ぐっちの声に耳をすます。そう、ボロ負けの試合でどうすることもできずに、外野のぐっちの守備だけをずっと見つめていた時のように。

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