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ピンチをチャンスに、無失点で乗り切ってくれたリリーフ陣たちのこと【9/1中日戦◯】

五十嵐さんが抜け、ハフが抜け、そしてこんちゃんが抜けた。その時私は思った。こりゃもう、心の底から開き直ってやるしかないな、と。なんかもう、絶望すら感じる暇はなかった。失うものなど何もない!最下位だし!(泣いていない)

まあもちろん、それから散々泣きたいような試合も山のようにあった。戻ってきてみんな・・・と、私はテレビで、球場で、何度もつぶやいた。だけど実際に、開き直ってそこでなんとかしようともがくピッチャーたちの姿も、たくさん見てきた。

胃も心もすっかりやられた毎日の中で、坂本くんやすきあらば平井くんといった、新たな希望のようなものはキラリと光り始めた。与えられたチャンスを、なんとかつかもうとするその姿は、とても頼もしかった。ピンチはチャンスだよな、と、私は使い古されたその言葉をまた思い出す。

そして今日、先発が緊急降板という弱り目に祟り目のような状況で、リリーフ陣がしっかり守り切ってくれた。今日の失点は、なんと、1である。1失点である。防御率4点台のチームが、1失点で抑えたのである。奇跡だ。奇跡じゃないか、と私は思った。

だけど実際のところそれは、奇跡でもなんでもなく、このチーム状況の中でしっかりと、ピンチをチャンスととらえ、自分の持ち場を守り続けてきた人たちがいたからこそなのだろう。

先発で苦しみ、リリーフを任されるようになったなっしーは、そこでまた少しずつ、結果を残し始めた。そして今日、緊急登板だったにもかかわらず、なんとかピンチを切り抜け、無失点に抑えた。

今季、怪我(ならびに長すぎるインフルエンザ)で離脱する期間が長かった石山は、おそらく少し無理をして、一軍に戻ってきてくれた。もちろんいうまでもなく、この状況で石山は救世主である。本来の場所ではないところで投げる状況だけど、それでもそこで、クリーンナップをしっかり抑えてくれた。

もはや誰もいなくなったみたいなブルペンで、ルーキーの坂本くんは1点や2点リードの7回を任せされるようになっていた。大事な場面をルーキーに任さざるをえない状況だなんて…と、こちらが勝手に不憫に思うたび、坂本くんはそこをしっかり抑えてきた。後半に追加点を取ってもすぐに取り返される、というのが決まりみたいになった日々だったのに、今日の坂本くんはその大事な場面を三者凡退に打ち取った。

21歳うめちゃんにとって、今年はうまくいくこともいかないことも、ジェットコースターみたいに目まぐるしく変化した1年だった。でもとにかくみんないなくなる中でしっかりそこで投げ続けた。「怪我をしなかったこと」は、うめちゃんが今年誇って良い、素晴らしい功績だ。そして今日、苦手な「ランナーを背負う」シチュエーションで、ビシエドをゲッツーに打ち取り、無失点で抑えた。

頼りっぱなしのマクガフは、頼りすぎて疲れが見え、一度抑えをハフに譲った。それでもハフが抜け、また9回裏を任されることになった。くるくる変わるチーム状況とどんどんいなくなるピッチャー陣の中、言葉も通じない場所で、どんな時も文句ひとつ言わず、マクガフは投げろと言われた場所で投げ続けてくれた。そして今日もピンチを背負いながら、ムーチョと一緒にしっかり最後を締めてくれた。

野球は、実力の世界だ。努力と実力で、そこに立つ事ができる。肌の色も、生まれた場所もみんなバラバラだ。黒人も白人も、日本人も韓国人も、みんな同じように、活躍すれば賞賛され、結果が出なければ批判の目にさらされる。もちろんとても厳しい世界だけれど、でも不寛容なこの世界でそこは、ある意味とても平等な場所だ。

私は、自分の実力とそして努力で、そこに這い上がってきた人たちみんなを尊敬する。逃げずにそこで戦う人たちを。いつか結果が付いてくると、信じて戦い続ける人たちを。チームも個人も、崖っぷちのところからは後は、這い上がるだけなのだ。

残り1か月。もうこれ以上怪我なく、良い試合がたくさん見られますように。今日みたいに、明日や来年につながる希望をたくさん見つけられますように。


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