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【6/28広島戦○】その1本にあらゆる思いをこめて

もう今年何回、「今日はさすがに厳しいか…」と思ったところで、このホームランを見たのだろう。というかなんなら今月何回見ただろう。いや、この一週間で何回見ただろう。というかこの人何本打つ気なんだろう。

「すっご………」と、私はもう、絶句する。「ひゃっっっほーーーい!!!」とか「きゃーーーーーー!!」とかそういう歓喜の叫びはもはやそこにほとんどない。絶句である、絶句。「ひょえ…」としか、声は出てこない。

「え、なんでこんな点入ってるの?」と、タブレットから顔を上げてむすめが言う。「む…むらかみくんが…」と答えると、「また打ったの!?」と、むすめは言う。そう、「また打ったの!?」これである。もう、国民の総意である。

その一本はだいたい、「ここで打ってくれたら…」と、思うような、多くは逆転の一打なのである。つまりそれは相手からすると「ここで1本だけは避けたい」と、いう一打である。もう、こんな選手ぜったい相手チームにいてほしくない。

「今日の床田に3点は重いということで、小川を代えましたね。」と、解説は言った。そうですね、今日の床田に3点差は重いです。と、私は思った。勝負をかけたその打席で、代打のたけしは三振に倒れた。今日の床田に3点差は重い。と、私は繰り返した。

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