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【7/14中日戦●】宮台は「ここぞ」を掴もうとする

塾から帰ってくると息子はいつも、玄関を開けるなり「ただいま」も言わずに「ヤクルトどう!!!!!」と、叫ぶ。で、リビングでソファにうずくまる私を見て「あ…負けたね…?」と、悟ったりしている。

なんせ先月はだいたい、早くに試合は終わって、私はごきげんに家事をしている、なんてことが続いたわけですが、ここのところはそうはいかない。今日も息子は帰るなりソファにいる私を見て「やっぱ…だめだった…?」と、悲しげに聞いていた。そう、悲しい。悲しいのである。

あと1点がどうしてもとれない。チャンスがなかなか生かしきれない。生かせないうちに、どんどん点を取られてしまう。そうだった、勝てないときって、こういう感じだったな…と、思い出す。

「…やっぱり、難しいのかなあ…」と、私は思わず、弱音を吐く。「ううーむ。」と、ダイニングテーブルの向こう側に座った息子は、渋い顔をする。

「ううーむ…」と、言ってから、息子は「サンドイッチ、うま!!!」と、言った。仕事がバタバタしていてごはんを炊き忘れ、今日はツナと紫キャベツのラペときのこマリネで、具沢山ホットサンドを作ったのである。ちょっとカレー風味に味付けをしたのがポイントです。めちゃおいしい。そりゃあ、息子も叫ぶ。「おいしいでしょそれ。我ながら天才と思った。」と、言いながら私は少しだけロゼワインを飲む。ナチュールのこれもうまい。まったく、世界はおいしいものであふれている。ヤクルトが負けども、今日だってごはんはおいしい。

「てっぱちもさー、ごはん食べながらテレビで試合見てたりするのかな?」と、息子が言う。「見てるんじゃない?おんなじような感じで。いや、もしかしたらアニメとか見てるかもしれないけど。せっかくの休みだし。」と、私は言う。どこかの豪華なマンションで、一人でおいしいサンドイッチ食べながらヤクルトの試合を見ているかもしれないてっぱちのことを想像して、私は少し笑う。

「ここぞ」の場面で、その瞬間をねらって、力を出すというのは、たしかに難しい。それが簡単にできたら誰も苦労しない。

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