佐渡島にチョコレート工場を作る〜自転車の旅〜
はじめまして!莚CACAO CLUBのまころんです!
この度、佐渡島にチョコレート工場を立ち上げることになりました。
どうぞよろしくお願いします!
ここ5年、広島県の尾道で、USHIO CHOCOLATLというチョコレート工場をやっていましたが、この度、独立を決意し、故郷である佐渡島にチョコレート工場を立ち上げるべく帰郷しました。
チョコレートのことを話す前に、まずは自分がどういう人間かを知ってもらいたいので、簡単にはいかない自己紹介をします。
1.誕生
19XX年。
地球は何の炎にも包まれていなかったが、佐渡島にオギャアと爆誕する。
何の変哲もない普通の家に生まれ育った俺は、普通じゃない何かに憧れ、高校卒業と同時に島を出る。
映像の勉強をするために大学に通ったものの、持ち前の勉強嫌いと音楽との出会いをきっかけに、「そうだ、俺はバンドがしたいんだった。」と目覚めてしまい、淡い夢を抱いて上京する。
しかし、そこでも勉強嫌いが出てしまい、あえなくバンドを脱退すると、気つけばサラリーマンになっていた。
仕事は大変だったが、そこそこ順調。しかし、普通じゃない何かに憧れていたはずの俺はいつの間にか普通の人生を歩んでいた。
行き当たりばったりの人生だ。
「こんなことでいいんだろうか。。俺は何やってんだろう。。。」
いかにもバンドマン崩れの、そんな疑問を持ちつつも、仕事に追われる日々からは脱却することができず、東日本大震災や、どぎつい失恋を経験し、いよいよがんじがらめになっていった。
2.自転車の旅〜スタート〜
2014年夏。転機が訪れる。
転勤先の大阪で、仕事を辞めることになったのだ。忙しかった日々が嘘のように暇になった。
仕事を辞めたいとは思っていたが、辞めたからといって、特に何かやるべきことはない。したいこともない。
だが、不思議と不安はなかった。さっぱりした清々しい気分だった。
仕事を辞めて3日目の夜。突然思い立った。
「そうだ。沖縄に行こう。大好きな自転車に乗って。」
行き当たりばったりの俺らしく30分で準備し、リュック一つ背負って家を出た。
自転車に跨り、23時の真っ暗な街の中、西に向けてペダルを踏んだ。
「馬鹿じゃないか。こんなことしても何も変わらない。ただの現実逃避だ。」
だが違った。
この一歩から、俺の人生は劇的に変わっていった。
自転車の旅は楽しかった。
やるべきことが何もないという解放感の中、無心でペダルを漕ぐ。
途中、怪我をしたり、雨に打たれたりしながらも西へ進む。
宿がないこともあった。知らない土地で一人、真っ暗な空を見上げると、孤独を感じることもあったが、辛くはなかった。こういう時間が欲しかったんだ。
これまでの人生を振り返り、俺は初めて自分の生き方と向き合った気がした。
3.自転車の旅〜尾道〜
旅を始めてしばらくして、尾道という街に着いた。
この街には本州と四国を結ぶ、しまなみ海道があり、自転車乗りの聖地とされていた。これを渡るために立ち寄ったが、このとき脚を傷めていたため、少しだけ長く滞在することにした。
尾道は不思議な街だった。いい大人が真っ昼間っからスーツも着ずにブラブラしている。どうやって飯食ってるのかわからない人たちだったが、みな楽しそうに暮らしていた。
俺はゲストハウスに滞在したが、その間にどんどん知り合いが増えていった。
「あいつに会うといいよ。」
「あの店には行ったか?」
「今日はあそこでパーティーがあるぞ。」
こんな調子でどんどん巻き込まれていく。
俺みたいな人間がたくさんいる。そんな街だった。
尾道での最後の夜、ミクくんに出会った。
ミクくんは全財産の1600円だけを持ち、キックボード一つで大阪を飛び出した、俺に輪をかけた変わり者だった。
たくさん話をした。その話はここではとても書ききれないが、俺ははじめて仲間ができた気がした。
翌日、後ろ髪を引かれながらも尾道を後にした。
4.自転車の旅〜ゴール〜
尾道を出てさらに数日、とうとう沖縄にたどり着いた。
小さなことだが、何もかも中途半端だった俺が、はじめて自分の意思でやり遂げた気がした。
道中、出会ったたくさんの人のおかげで、狭まっていた視野が広がった。
世の中には自分の常識を遥かに超えた生き方のレンジがあることを知った。
あの時出会った人たちには感謝してもしきれない。
旅を終えて大阪に帰った。社宅に住んでいた俺には、家も仕事もなかった。
今日から晴れて、住所不定無職。「やったぜ」心の中で呟いた。
一息ついて見上げた西の空。尾道のことが気になった。
いや、ずっと心に引っかかっていた。
何もなくなった俺は、尾道に引っ越すことに決めた。
滞在したゲストハウスに連絡すると、あっさりと受け入れてくれた。
縁もゆかりもなかった尾道で、全く新しい生活が始まった。
〜こちらの記事へつづく〜
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