くだらないこと言わないから、悲しすぎるなんて言わないで。

いつもと違う間隔でいつもより早くやってきたら、その驚きでいつもの億劫な気持ちは掻き消されていく。全部のことが不定期でやってくるなら常に緊張しなくちゃいけないけれど、たまに想定外のことが起きると雪の日の学校みたいで良い。

嫌なことなんて驚きと興奮が上回れば全部面白くなるのにな。今日も風が強かった。寝ても覚めても風が窓を撫でる音が聞こえていた。

昼過ぎに起きて、食事をしながら好きな番組を見て、それに見入って何も支度が進まなかった。食べ終えて、着替えて外に出た。寒かった。鼻先や指先が赤くなるような寒さだった。

店を回って、肉や野菜や必要なものを買った。店から出ると、空が青紫でお洒落なお酒みたいだった。雲もいい味を出していて、あんな空初めて見た。何十年も見ているのにまだ初めて見る顔があるなんて素敵なことだ。

反対の空は暗い昼間みたいな水色でそれも綺麗だった。

帰り道は、こんな寒い日に聴きたくなるアルバムを聴いていた。彼にとって教室から見る雪はよくある光景かもしれないけれど、幼い自分にとっては特別で、みんなが少し浮かれているあの感じは今でも思い出せる。

昨夜、子供の頃好きだった本を引っ張り出して読んだ。好きなものも好きな感じもほとんどあの頃から変わっていないのに、あの頃分からなかったのに今分かるようになった魅力もある。それが丸くなるということなら少し悔しいけれど、厚みということなら少し嬉しい。

あの頃の誰が何をしていようがどうだっていい。でもその先の今、感覚として近くにいる人がいるならどうでもいい話をしてみたいとは思う。この間友人と話して、そんなことを思ったんだ。

帰宅して、ゴミをまとめて出した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?