嫌われてもよかったけど、嫌われたくなかったよ。

好きなイラストレーターの番組があるからその時間までに起きたかったけれど、目覚ましの音に全く気づかず寝ていた。仕方ないので録画を見た。

ちょうどこの間画集を見たから興味が高まっているところだった。自分もこんなに絵が描けたらなと思う。迷いなく自分の世界を表現できたらなと思う。

そう思ってすぐにできるわけもないから今日もだらしなく過ごす。外は雨が降っていた。

着替えて、少し外を歩いた。涼しかった。

店には客が少なかった。荷物を抱えた帰り道、車に飛沫をかけられながら歩道を歩く。みんないそがしいから急いでいるんだ。自分は特に急ぐ理由がないから好きな洋服を着ていられるんだ。

春の曲を聴きながら、嫌われてもよかったけれど、嫌われたくなかったよなんて思った。いそがしくないとこんな馬鹿なことばかり考えてしまう。

関わる前は嫌われてもいいから交わりたいと思うけれど、あとになればやっぱり嫌われたくなんてなかったと後悔する。交わったあとも嫌われなかった方の道をいつも当たり前に望んでいるんだ。

それはつまり、やる後悔とやらない後悔みたいな話なんだけど、絶対に嫌われたくない人にもう二度と会えなくなるのと、絶対に嫌われたくないなんてそもそも思わないのと、どちらが幸せかなんて自分にはまだ分からなかった。

短い帰り道は答えを出す前に終わる。アルバムは次の曲を流すし、つい数分前の思考が砕け散っていく。

帰宅して、買ったものをしまうべきところへ置いて、服を脱ぐ。風呂に入ろうと思いながらこの日記を書いた。

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