今はそれだけでいい、他のことがどうでも良くなるくらい。
昨夜レコードを買った。行こうかと思っていたライブと、買うか悩んでいたCDを我慢してレコードを買ったんだ。もしくは数本分のお酒か、遊びを一度断る分の価値をその一枚に賭けた。まだ予約だけど届くのが楽しみだ。
レコードなんてあまり買わない。一度しか買ったことがない。つまり今回が二度目で、今部屋にある3枚も4回くらいしか聞いていない。最後のは都合良く合わせただけだけど本当にその程度の距離感でしかない。
届くのは秋口だ。まだ暑いかもしれない。秋の始まりから冬の終わりまでたくさん聞きたい。なんなら夏になって季節に合わなくなっても聞いていたい。この部屋の壁がもう飽き飽きするほど流したい。
レコードは針が盤の凹凸を弾くからそこで鳴っているんだと読んで妙に惹かれた。その記事では、今目の前で小さいバンドが演奏しているようだと言っていた。手を叩いたり声を発したりするのと同じで今ここで鳴るというのがいい。
起きてから寝るまでのほとんどをラジオに費やしている。もしくは音楽を聞くか弾くかしている。その間に何をしているのかはすっかり抜け落ちている。
今日もそんな感じで昼が過ぎた。声と音の間、友人に貰ったおもちゃで遊んでいたら昼が過ぎたんだ。小さな鉄球をゴールまで運ぶおもちゃだ。仕掛けを作動させるために指でボタンを押したり、弾いたり、回したりする。するとその度にカチャカチャと安っぽい音が鳴る。
今ここで鳴っていた。ゴールまで辿り着くころ、だんだんと耳鳴りがしてきたので止めた。
昼過ぎ用事を済ませて、着替えて部屋を出る。図書館へ行った。忙しなかった。読みたい本もなかったから少しして出た。そのあとスーパーに寄ったけれど、食べたいものが何かよく分からなくて何も買わずに出た。
久しぶりにカメラを持っていたから写真を撮った。夕景が綺麗で何度も自転車を止めた。
帰り道の公園のベンチで詩を書こうと思ったけれど、つまらないことしか出てこなくて嫌になって帰った。なんで頑張りたい時に限ってこの様なんだろう。情けなくて泣けてくる。でももう大人だから我慢できるくらいの感傷だった。
まだ部屋に戻る気になれなくて、自転車を停めてから散歩に出た。写真を撮った。カメラが上手く使えたときはやっぱり嬉しい。
いつもの犬とたまに見る猫に会えた。でも、いつも見ていたある犬がいなくなっていた。もう老犬だったし亡くなったのかな。いいところにいられればいいな。
夜は少し気にかかることがあって、なんとなく落ちていた。部屋の隅っこに体育座りするような気分だ。他にも書きたいことがあったけれどその気持ちは削がれてしまった。それは結局その程度のことだったんだ。
1日の中で気持ちの浮き沈みがあるのは仕方がない。でも良いほうから悪い方に落ちるのは気分が良くないよ。どうせならいい気分で寝たいものだ。明日は今日と逆になればいいな。
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