今日の自分が、いつかの背中を押すように。
今日は午前中に起きた。食事を済ませて、テレビを見て、ぼんやりしていたら昼が過ぎた。
楽しみにしている本の追加情報が出て、どこから買うか迷う楽しみも増えた。本もCDも特典を選ぶのが好きだ。自分はいつもひとつしか買わないから、欲しいものをよく考えて選ぶ。全て集めたい気持ちも分かるけれど、欲しいのは本やCDであって、特典はそのおまけであるという体を崩したくない。ひとつでも好きなものが付いてくることがすでに嬉しいんだ。
たくさんを見たり知ったりしてしまうと、ひとつが物足りなくなるのは仕方ない。それに全てを手に入れた喜びも大きいだろう。でもやっぱり大切に出来る分だけで十分だから自分はひとつで良い。もしいつかお金持ちになったら、おまけの嬉しさやそれを選ぶ楽しみも忘れてしまうんだろうか。
にやにやしながら迷って、結局決めきれずにいる。期間はまだあるからもう少し考えることにした。
予定より遅れ気味で着替えを済ませ、外に出た。風が強かった。
野菜や果物を買って帰る。会計を待つ間、外の旗は凄く靡いていた。まだ風は強かった。
帰り道、自転車を漕ぎながら、夏の夕方、まだ明るくて蒸し暑い部屋の中を思い出した。寒い路地裏と暑い路地裏が一瞬だけ繋がったみたいだった。今ならまた始められるような気がした。
挫折よりも何も出来ないほうが苦しいのは分かっている。それでも何も出来ないから、出来ない、進まないことばかりが頭を旋回して最近はとにかく逃げていた。でも今なら夏の日みたいに、汗ばんだあの感じに行ける気持ちになった。
自分で自分の背中を押してください、と好きな作家は言っていた。全ては空気感で、自分の気持ちなんてその流れに沿わせれば簡単に動かせるはずなんだ。誰かじゃなくて、過去の自分なら頼っても許されるかもしれない。
いつだって許されたいし、いつだって楽していたい。周りが見えないくらいに自分を振り回してみるのも悪くないかもしれない。
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