そのときは空と海を繋いであげるよ、同じ地上から。

今日は朝に起きたけれど、昼まで惰性でほぼ寝ていた。惰性というより慣性かもしれない。

好きなバンドマンが本を紹介する特集記事を見つけて読んでいた。初めて知った本よりも、知っていたのに読んでいなかった本を読みたくなった。

それからご飯を食べて、見たかった番組を見た。また息が詰まるくらい笑っていた。空から見たら滑稽な馬鹿だろう。

そうして昼が過ぎて、記憶も飛んで、夕方、少しやりたかった作業を進めた。なんだか上手くいかなかったから元の方が良かった、という何とも言えない結果に落ち着いた。

光る画面から離れたいと思い、外へ出た。散歩をした。少し走った。足が疲れる前に呼吸が持たなかった。

体中の空気が抜ける勢いで吐き出すと、冷たい夜風が飛び込んできた。肺に染み渡るような感覚がした。心臓が激しく動く様を見た。

開けた道では畑の匂いを物凄く感じた。空も広かったし、月も見えた。

湖を囲う道の途中にあるベンチに座ってぼんやり過ごした。同じ場所で繋がった人のことを思い出して、その人に教えてもらった音楽を聞いていた。

背もたれに体を預けて、首を後ろに倒すと視界を空が占めた。真っ直ぐ先に半分より満ちた月があった。頭上を中心に宇宙が回っているみたいだったけれど、じっと見ているとどこも同じ方向に流れていた。月だけ残して水彩画みたいな淡い雲が動いていた。月のある層と、雲の流れる層と、自分がいる地上は別の高さにある。当たり前だけれど、その実感を初めてした。そんなことも感じられずに、自分は今まで何を見た気になっていたんだろう。

いくつか詩を書いて、湖を挟んだ向こう側の遮断機が何回か上下すると、だんだん寒さを思い出してきたから帰ることにした。帰りも少し走った。本当に少しでも息が切れた。

帰宅して、洗濯機を回して風呂に入った。洗濯が終わったことも、鍋に火をかけていたことも忘れていた。火は止めたからこれから洗濯を干して、やり残したことを進めたい。

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