そしてこの生活は、それらすべてと同じ。
今日は早く起きた。なにかを見ながら、なにかを食べて、置きっぱなしの洋服を着て、部屋を出た。
暑いのか涼しいのかよく分からない天気で、日陰の涼を求めるように蛇行しながら自転車を漕いだ。急ぐ必要もないからゆっくり進んでいた。
なんだか今日も意識が遠かった。眠かったのかもしれない。昨夜から暗い歌ばかり聴いていたせいかもしれない。でも好きだからその曲たちは何も悪くない。良いのだ。生み出されてくれてありがとうと思う。生み出してくれてありがとうと思う。
そのアルバムしか聞けなかった夜のこともいつか思い出すだろうか。
それから夕方帰宅して、更新された文章を読んでいた。
できないことばかりが浮かんでは消えていく。机の下に蜘蛛の巣ができている。洗濯物は干しっぱなしで、ゴミは入るだけ詰め込む。
今夜は洗濯をする。早く風呂に入る。ラジオを聞いたり、楽しみにしている動画を見たりする。
昨夜読んだ小説はたった数ページで悲惨なことになった。あと少しなんだけど、もう彼に幸せなんてこない気がして嫌だ。健気に思い続けている人が、何もうまくいかず、社会の中にも入れず不幸せになっていくのは見ていられない。見たくないんだ。どうせそうなるなら傍若無人に振る舞うべきだ。世界のことなんてこれっぽっちも信じていない顔をして、かわいい洋服と好きな音楽に埋もれたまま死ぬまで暮らすべきだ。それが幸せってものじゃないのか。
人生や時間や経験や誠実さを差し出して、不幸や寂しさだけが残るなんてそんなの許していいはずがない。
なんのせいでもなく、ただそんな気持ちになったんだ。今夜は続きを読まないかもしれない。それなら漫画でも読もうと思う。
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