ツツジが満開になるお行儀の良いこの街で。
早く寝ようと思っていたのにギターを弾き出したら止まらなくなって夜が更けていった。それからついでのように料理をして、ついでのようにご飯を食べた。完全に食べ過ぎだ。寝ていたら食べなかったご飯を食べた。寝ていたら飲まなかった酒を飲んだ。
こうやってずるずるといろんなことや時間や思いを引きずって生きている。みんなそうならいいのに、みんなもっと今を走っていそうで嫌になるな。
料理をしながらラジオを聞いていた。40分弱がすぐに過ぎた。手際の悪さを縁取るように2回目を再生する。
朝方寝て、昼前には起きた。食事をして昼過ぎに外に出た。自転車に蜘蛛の巣が張っていたから拭き取って乗った。
部屋の中から見る外は影っていたからカーディガンを着て出たら暑かった。脱いだら荷物になるから着ていた。
店に入るとき、店から出てくるおばあちゃんがいて、籠が高く積み上がっていたから貰って重ねてあげた。何回もありがとうねと言ってくれて嬉しかった。考える前に動けたのが良かった。ひとりでもできるだろうし迷惑かもなんて少しでも考えてしまったら、体が優しさを追い越してしまうから、きっと親切はできない。いつも今日くらい自然と動いていたい。本能的に優しさを体現していたい。
店の中は昼過ぎなのに子供が多くて戸惑った。この町の子供達は帰るのがいつも早い。それが普通なのかもしれない。
自転車で先を行く母親の後を、拙い乗り方で着いていく自転車の子供がいた。鳥の親子みたいで良かった。
帰りに湖に寄ったけれど思ったのと違ったから少しだけ水面を見て、すぐに帰った。
帰宅して、なんとなく違った湖な感じを詩にしたら思いがけず長いのが書けた。捻り出すというより溢れ出た。こんな感じ久しぶりで少し驚いた。そんな感じで言葉も感情も常に溢れさせていたい。
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