百円の炭酸水と、数千円で揺れる感性を。

天秤にかけるように考えていた。この生活ではどちらも重くて、どちらも儚い。なくても生きていけるし、どっちみちしばらくすればなくなる。そんなものでもあればその先、違う自分かもしれないから諦められなくて同じところをぐるぐる回っていたんだ。

二度寝の末、目が覚めたら昼が過ぎていた。今日が終わっていく中、起きた。食事をして、テレビを見て、着替えて外に出た。

固かった靴もだいぶ慣れて歩きやすくなっていた。散歩がてら少し遠くまで歩いた。街は暗かった。

壊れているものを探していたけれど、何が壊れているのか分からなかった。作られているようで、実はこの街全部壊れているのかもしれない。

店に寄って炭酸水を買った。破裂しそうだけどしない、信頼を鞄に入れて帰った。

帰り道、外れた板があった。分かりやすく壊れているものが見つかって写真を撮ったのに、帰ったら消えていた。やっぱりもう壊れていたのかもしれない。

来週、ライブに行くか迷っている。そのミュージシャンの曲を聞いていたんだけど、決められなかった。今年はこの人のライブを見ようと決めた数組に入っている。絶対に行くべきだと思う。決めたことを守るためにも、荒んだ感性のためにも、絶対に良い。

ライブハウスにひとりで行く勇気と、高くなっていくチケット代が足を引っ張っている。後ろ髪を引いていく。合っているのか分からない言葉で誤魔化して、決めかねた状況から逃げている。行かない方が後悔するのは分かっているのに、だらしない生活の中行ってもいいのかという気持ちが渦を巻いて、その闇に落ちていくんだ。

数ヶ月後の予定はなくなりそうだからその代わりに行こうかな。なくなる前にちゃんと自分で決めたい。

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