こうあるべきだと重ねて塗った汚い白だ。

土曜日みたいな天気だ。何もする気にならない休日の薄暗さが昼下がりを覆っていた。

見たかった番組を見て笑っていた。それが終わると何もなくなった。空っぽみたいだった。

夕方近くになって雨が止んだみたいだから着替えて外に出た。最近人に会うことが多いから外に出るまでの気が楽だ。部屋の中で行ったり来たりしなくていい。気候のおかげもあると思う。

目覚ましには選んだ曲の中からランダムで鳴るようにしているのだけれど、今日の曲は今日にぶっ刺さった。だから今日はその曲を聞いていた。聴きたいところになるとなぜか別の景色などに気が向いていて、何度も初めから聞き直した。

あの時、ちょうどあのタイミング、ということは確かにある。微睡の中、意識と無意識の間で聞こえてきた言葉だから刺さったのかもしれない。ぼんやりしているときに頭に流れる音楽に救われることは結構あって、今朝もそれだったんだと思う。

しばらく街を歩いて、行きたい店と反対に来たことに気づいた。踏切を渡って駅の前を通って店に寄った。牛乳と炭酸水を2本ずつ買った。

斜め掛けの鞄、左肩が重くなる。ギターより重いかもしれないと思ったけれどそんなはずはない程度の液体を揺らしながら帰った。帰りは夕暮れの曲を聞いていた。

小学生が帰っていた。自分がこれまで意図的に捨ててきたいろんな物を彼らはまだ持っているのかもしれないし、自分が無意識に身につけた有り余る自意識を彼らは一生持たないかもしれない。

白いっていいな。青いのはもっといい。早朝みたいな青を放っていた時期など自分にはない気がした。

曇った夕暮れは淀んだ灰色だった。そんな街を歩いて帰った。

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