明日擦り切れたって良いくらい神経を剥き出しにしていたい。

何かやり合っていて、文字を送り合っていて、酔ってもいないのに歌っていた。全く違う土地で違う生活の中で、同じ趣味嗜好を育ててきた人と出会うのは奇跡みたいだ。それを目の当たりにして驚きと喜びで興奮していた。

誰かの人気はたくさんの人々の奇跡が集まったもので、奇跡なんていう簡単な言葉にしてしまえないほど儚い。

なかなか眠れなくて、ラジオを聴きながら眠った。朝は早起きして支度をして部屋を出る。

同じ階の3つの扉が同時に開いた。自分ともうひとりは部屋を出て、残りのひとりは出ずに扉を閉めた。同じ階の人とは鉢合わせたくなかったのかもしれない。

こんなこと初めてだったから心の中で興奮していたけれど、下まで降りる間に元通りになった。風が強かった。

待ち合わせの場所まで行く。人と会って、自分の出来ることと相手の出来ることを教えあった。自分が出来ないことはその人にとって壁でもなんでもないことだったり、その人が出来ないことが自分はいつのまにか出来るようになっていたと気づいたり、人それぞれという言葉を体感した。

お互いに言えることだけど、経験だった。経験を重ねればできるようになることだった。同じ生活をしていないからその人みたいに使いこなせないけれど、その人は自分をすぐに追い越すだろう。

気持ちを賭けず、惰性でやっていることは通用しない。でも続けられるというのは何よりも強いことだからこれから次第でどうにでも変えられるはずだ。

少しして別れて、しばらくして別の人と会う。会いたい人に会えた。見たい時に見られて、聞きたい時に聞けて、行きたい時に行ける。心はそう簡単にできない分、体は身軽でいたい。

好きな人と会うと凄く楽しくなる。もうなんでも良くなる。駄目なこととか言ってないかな。不安になるけど、好きな人には嫌われたくないから次会ったらもっと楽しませたい。好きな人は嫌なこととか忘れれば良いんだ。好きな人の嫌いな人間なんかいなくなれば良いんだ。

好きな人同士が憎み合っていたら両方いなくなって、好きな人さえも失うのかな。

帰り道は昼に会った人がよく聞くと言っていた曲を聞いていた。数年前によく聴いていた曲だった。当たり前だけどいろんなことが変わって、何も変わらないことも変われていないこともあって今、聞こえ方も違っていた。

無駄な知識よりも有り余る感性をはみ出していきたい。そのほうがいい。その方が絶対にいい。好きな芸人の話はあまりできないけれど、好きな音楽の話はできる。それに、誰かに認められなくても、自分くらいは信じてあげたいし惹かれるものに素直でいたい。

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