もう忘れた赤色と、思い出さない青と光。

今日は朝起きて、窓を開けて少し涼しくなった部屋で漫画を読んで、だらだらしていたらまた寝ていて、起きたら夕方だった。

寝起きに続きを読んだ。思いがけないサスペンスだった。人のことを知る、みたいな話だった。

よく知っている人にも知らない面があって、それを知ることで自分の中の像が崩れていく。壊したくないから信じなかったり、また別の人を悪者にしたりする。

愛するというのはそういう一面も持っていて、どこまでも一方的なんだ。

上巻では断片的でばらばらだった話が、下巻では繋がっていった。やっと繋がった真実をまた解いて、本当のその人を分からなくさせられて終わった。

撚った紐をまた裂いて、はじめに持っていた部分とは別の束を見つめ直すような話だった。彼は完璧だったのか、落ちぶれていたのか、交わる人によって捉え方も変わる。大切な人の前では取り繕っていたいという感情も確かな愛情だと思った。


あとはずっと同じアルバムを繰り返し聞いていた。

まだ数時間は、日が暮れないだろう。

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