この部屋からは地平線が傾く様は見えないよ。
日が変わるころ布団に入って、夕方になってもまだここにいる。昼ごろ起きて、二度寝したら昼が過ぎた。
寒くて包まっていたら、夕方から雨になると知り外に出る予定もやめにした。今すぐないと困るものはないからそれでも良かった。
暖かい布団の中で、ラジオを聞いていた。ラジオが終わると部屋が静かになった。天井を眺めてみる。これまで全く聞こえなかった隣人の生活音が少しだけ聞こえた。
音がないと頭の中がぐるぐる回る。できないこととやらないことばかりの生活になっていることに情けなくなる。
どうしようもないから、また会話を流して記事を読む。みんな凄いなと思う。
自分は食事を続けていくだけで毎日が終わるのに、みんないろんなことができて本当に凄い。でも自分がどこまでやりたいのかはよく分からない。
ただ死ぬ前に、生きてみて良かったと思いたいとぼんやり思った。どうしてそう思ったのか、あまりに淡くて輪郭を捉えられないけれど、そう思うのも悪くない、みたいな感覚になったのは確実だった。
それと、まだ死にたくないと思いたい、とも思った。常に、まだ生きていたいと思う状態であるにはどうすればいいのだろう。気持ちが動いた瞬間に、気になるところへ行ってみるしかないんじゃないか。常にやめられない状態でいるには、常に何か始めているのが良いような気がした。
やっぱりどうしてそんな考えに至ったのかもう思い出せない。部屋がだんだん暗くなっている。
この部屋だけが沈んでいるのかもしれない。
そうやっていつも自分だけが正しく、もしくは間違いになれたら何も気にしないで生きていけるのにな。
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