あれからとか、それからとか、全部含めたこれからのこと。

今日も昼までラジオを聞いていた。音を垂れ流して、部屋中に会話を撒き散らしていた。

布団をかぶって隔てた。世界を遮断するように膜を張っていた。

お悩み相談には一切乗らずに、自分じゃなくて良かったとか言っていた。なんだか凄く安心できた。本気で向き合うありきたりな提案は当たり前に良いけれど、自分じゃないから知らないという本音を言ってくれる優しさがあっても良いと思った。

これから何をすればいいか、いよいよ分からないからちょっと焦った。あれからとか、それからとか、全部含めたこれからのことだ。考えなければ今のまま続いてしまうのが悔しかった。

いつになっても変わっていないな。別れの原因も分からないまま、伝えないで離れてばかりだ。

でも今日はちょっと良い日にしたくてまた音楽に頼った。心地良いことばかりで満たしたい。

夕方になって着替えて部屋を出た。写真を撮って、詩を書いた。はじめての場所に行って、知らなかった階段に座って沈んでいく太陽をぼんやり見ていた。橋の上を行く車や自転車のことは忘れて、緑とオレンジと枯れた白々しさと自分だけみたいな夕方だった。

好きなアルバムを聞いて、ただ飛行機を追っていた。重なった電線と、それに交差する飛行機雲が心をざわつかせた。

制服にサンダルの子供が自転車で通り過ぎる。こんなに小さいのに制服を着ている違和感は慣れない。この町の畑にいる大きな鳥も慣れない。いつも新鮮に感じるし、見てしまう。なんなら飛ぶ様を目で追っている。

帰りに買い物をして、帰りも同じ道を通った。橋の上で自転車とすれ違うために立ち止まると、細かく揺れていて怖かった。歩いていれば気づかないことに気づいた。

暮れていく路地裏の写真はまだ上手く撮れない。散歩中の犬とすれ違ったころ、雨が少し降り出した。カメラを濡らすわけにはいかないけれど、光沢を帯びたタイルの写真を撮りたくて葛藤した。帰り着く頃には雨は止んだ。

夜は楽しみな番組がある。ストレスがないというストレスがじわじわと感情を侵食していく。何も感じなくなるなんて嫌だから、好きなことくらいは感情全部捧げるつもりで楽しみたい。

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