自分が自分じゃないみたいな感覚で。
今日は昼前には起きたような気がする。もう少しだけ、と布団にこもっていたら昼過ぎになったからそろそろ外に出るために起きた。
外を見ると曇っていて、天気予報によると時々雨だった。降るなら一気に降って欲しい。小雨を繰り返すから買い物へ行くタイミングが掴めない。
長縄に入れない子供みたいな気持ちになった。社会はぐるぐる回っていて、いつまで経っても入れない自分が見えた。子供の頃は上手く入っていけたのにな。いつから飛び込めなくなってしまったんだろう。
溜め息混じりにカーテンを閉めて、また布団に潜った。雨雲の薄暗い空を見てから頭痛がしてきて、雨の気配に気づいたことを悔やんだ。でも気づかなかったら外に出て濡れていただろう。
結局、芸人の動画を見て半分寝ながら笑っていた。
夕方になって雨は止んだ。昨日は外に出なかったからやっぱり今日は出ることにした。
着替えて、自転車に乗ってスーパーまで漕いだ。雨が降った後だから、車の光が反射しあって眩しかった。
自分が自分じゃないみたいな感覚で漂っていた。聞こえるものも見えるものもどこかぼんやりしていて輪郭が掴めない。
浮き上がったような感覚で自転車を漕いで踏切前まで来た。このまま突っ込んでしまったら、意思だと分かってくれるだろうか、それとも事故だと責められるだろうか。そんなことを考えていると、直前で警告音が鳴り出して遮断機が降りた。突っ込むのは今日じゃなかった。そのまま踏切は待たずに別の道へ進んだ。
何もしないで、感覚は遠いところにあるのに、なぜかいろいろ考えていた。気持ちだけが動いていく。でもその過程は記憶に残らないから、どうしてこんな気持ちになっているのか分からない。
夢を見たあとみたいな感覚だった。
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