光が全てを壊したあの日を思い出す。

ここ数日、目覚ましが鳴るより早く目が覚める。良いことなんだけど、もう少し眠ろうと思って二度寝すると結果的に起床は遅くなるから良くない。

午前中は鍋を作った。もうすぐ季節外れになるけど、季節外れになったって食べる。

それから昼過ぎまでだらだらとドラマを見ながら食事をしていた。あまり食欲がなかった。

夕方は着替えて散歩へ出た。日差しがいちばん強い時間だった。帽子を被るか迷っていたけれど、格好付けているみたいで恥ずかしいから被らなかった。こんなに西日に刺されるなら被ってくればよかったと後悔。

いつものベンチとはまだ呼べないベンチに今日はおじさんが座っていた。あ、この時間はこの人の居場所なんだな、と思った。

きっとその人が餌をやるから鳥が集まっているのだろう。

そのベンチを通り過ぎて、少し先のベンチへ座った。やっぱり日を遮ってくれるものは何もなくて、眩しくて暑かった。それはもうしっかりと、夏へ向かう夕方、で季節の回転を感じた。

今日は青が目に留まった。大きな扉に階段、屋根までもが浮き上がるように青かった。いつもは気にならないのに。

帰宅してゴミをまとめて捨てた。靴箱がいっぱいだったから、何年も前に履いていた靴も一緒に捨てた。靴は、破れたり穴が開いたりしない限りなんとなく捨てにくい。まだ使える、の代表なんじゃないかと思う。でも日常的に履いていないのであれば、なくても困らない、の代表でもある。

靴はどこに行ったとか、誰と居る時によく履いていたとか、思い出に繋がっているから捨てにくい気がする。

物を捨ててしまってもちゃんと覚えているから心配することはない。忘れてしまうくらいならその程度なんだから気にすることはない。

夜は日差しに負けた眼球が痺れて視界がぼやけていった。

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