いろんなことがまだまだ足りない。

昼に起きた。パンを食べて着替えてギターを弾いていたら夕方になった。

街を歩いて図書館で本を読んでいた。日本美術の画集は墨の匂いがした。新品だったからかもしれない。

大きな窓には日除けが掛かって、景色が滲んで見える。淡くくすんだ空に飛び回るトンボと、揺れる葉が涼しげだった。

灰色がかって見える空も不思議と青が強い。雨が降る前に帰った。音楽を聴きながら風に吹かれていた。それだけの日だった。

好きなバンドの新譜の聞き取れない言葉を考えたり、もう聞き慣れたアルバムの過激な歌詞を思ったりした。

まだ足りない。時間も意識も感情もとにかく激しくあってほしいと思った。本当はもう激しいのかもしれない。そのひとつひとつにちゃんと気づいていきたい。

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