歌のないピアノの曲で目が覚めた。
今月中にやりたいことがあるのだけれど、全く手をつけていないまま3分の2が過ぎ去った。これで間に合うならわざわざ1ヶ月遅らせる必要などなかったのだ。
期限内に、それも自ら定めた期限内に、いくつかの創作をするということが久しぶりで、加減が分からなくなっている。いつ頃始めて、いつまでにここまで形にすれば間に合うと計画を立てることさえ時間がかかるようになってしまった。
今思えば学生時代の課題提出なんてよくできていたものだ。来週までとか、次の登校日までとか、それも授業はひとつじゃないから違う種類の課題が重なっていく。たった数日の間にいくつか別のことを調べたり考えたりそれをまとめたり、そんなことがどうしてできていたんだろう。
日々の多くの時間を外で過ごしていたからかもしれない。時間の隙間が探しやすい分、そこにやることをねじ込んで終えられるのかもしれない。
やるべきことが減り、空白の時間が増えると、やりたいことが宙に浮いているみたいだ。いつでもできるし、どれだけでも時間をかけられることに人は取り掛かれないのかもしれない。だからある程度の制限が必要で、締切を作るのかもしれない。
そういえばそんな話をラジオで聞いたことがある。いつまでもできるならあそこもここもと気になって終わらないから作品ができない。それでは死ぬまでにひとつ、もしくは未完成の作品しかできないと言っていた。
はじめは誰だって拙いと言い聞かせて、やりたいことに取り掛かる。期限を設ける。とりあえず毎日手をつける。頭では分かりきっている目標を打ち立てて、夕方になった。
昼間は寝ていた。部屋に入ってくるわずかな風を感じつつ、音楽を聴きながら、惰眠を貪り続けていた。
夜は起きて本でも読みたい。
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