嬉しい夢みたいな、でもそれはいつか終わると分かっているような。

そんな夜だった。とにかく良い時間を過ごした。楽しいものだから調子に乗って迷惑をかけたかもしれない。帰ってあの時の言葉がどうだとか、あの時の態度がどうだとか後悔する癖が鬱陶しい。

いつぶりだろうと思うような朝帰りをして、カーテンを閉め、服を脱ぎかけのまま寝ていた。気持ち悪さで何回か意識が戻ってきて、このまま目が覚めないこともあるのかななんてうっすら考えたけれど、構わず寝た。

夕方に起きて、恥を思い返す。数え切れないくらい撒き散らせばそのひとつずつなんて気にならないかもしれない。恥にだって種類があるし、かわいげがあって笑えるものだけにしたい。滑稽というより喜劇でありたい。

いつもしないことをいろいろしてくれて、まるで若者の版を写したような時間を過ごせた。夜中は堪らなく眠くてなんでこんなことをしているんだろうなんて我に返るくせに、やっぱり楽しかった。何の意味もない話をしてくれる人を大切にしたいと思った。

もう会ってくれなかったら嫌だな。そんなこと思える人にはちゃんと会いたい時に連絡をしよう。欲望は意外と引っ込み思案だからもっとよく様子を見てあげよう。そしてなるだけその要望を叶えてあげたい。自分はもっと自身を楽しませてやりたいのだ。

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