きみとずっとふざけあっていたい、という相手でいたい。

自室の壁に好きな映画のフライヤーを貼ってあるのだけれど、最近よく落ちる。セロハンテープを輪っかにして貼り付けているから、暑さで溶けるのだろうか。

貼り直すたびに少しずつずれていくんだろう。同じ場所に貼っているつもりで、歪みやずれが蓄積していくんだろう。

皮膚みたいだ。時代みたいだ。日々生まれ変わって更新されていくけれど、日毎の変化は小さすぎて意識しない。気づいた時にはもう別人、もう近未来で、あの頃なんて嘘みたいに感じられる。

昨日寝る前にラジオを流して寝た。目が覚めたら夕方で、流しっぱなしのまま電源が落ちていた。起きてからもずっとラジオを聞いている。

ベッドに寝転がって、ちょうど見える位置に貼り付けたフライヤーをぼけっと眺めている。正面から見れば横向きの顔は、横になって見ると正面を向く。

腕を立てて指を向けると、彼の頭を撃ち抜ける。その光景が完成するのは、この位置についてある目と、この思考を生み出す脳がここにある時だけだ。

もう夜に近くなるころ、やっと起き上がって風呂に入った。冷房も付けて涼しい部屋で熱い音楽を聴いていた。

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