嘘を吐かないでいいように全てを隠すんだ。

起きたら夜だった。寝たのが朝方だったけれど、そんなに経っているとは思えなくて驚いた。半日以上寝ていた。

目覚ましに設定している音たちが戦った跡だけ残して灰になっているみたいだった。

寝る前に少しだけと思って見た番組が面白くて全部見てしまったんだ。短い映画くらいの時間夢中で画面に齧り付いていた。それで朝になって寝て、起きたらこの様なんて、どうしようもないね。

それで今日は何曜日なんだいと呟きながら起きる。もう何曜日でも関係ないよと答えながら歩く。どうせならこのまま外まで行こうかと思う。着替えなくちゃいけない。いろんな服を着たいな。どんな服を着ていても気にならないくらいいろんな服を着る人になってみたい。でもたくさんの服が欲しいとは思わないし、しまいきれないほどの量はいらない。誰だって帰る場所があった方が外で輝けるだろう。服だって物だってそんな気がしている。

当の自分はその家に篭ってばかりいるから、輝くも何もない。部屋の中で発光するのは怖い。でもそれはそれで面白いな。路地裏から光る部屋を見つけたってまさか人だとは思わない。物理的に光っていても気に留めないのに、見えない光は何の違和感もないだろう。実はそんな部屋が街には溢れているのかもしれない。

やっぱり外を歩いてみようかな。もう暗いからやめようかな。部屋の中で見えそうなほど光を発する方法を考えてみようかな。

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