破綻した思考を繋いであげるからさ。

昨日の夜は、涙と綻びの間みたいなところにいた。笑い泣きのような泣き笑いのような時間を過ごしていた。

喋ったらなんだか嫌になって、聞かなきゃ良かったなと思った。大変なのは分かっているよ、ずっとそうなんだから。もっと楽しそうなところを見ていたかったな。

泣くなら勝手に泣けばいいさ。自分はそれを見たってへらへらと引き攣った笑顔で、ティッシュを渡すことしかできないんだろう。手が震えて持っていられないけれど、それを知られるのはへらへらが消えるよりもっと恥ずかしいから、受け取らなくても箱をそばに置くんだ。

はじめからずっと情けないままだな。もうきっと二度と会えないことは分かっていたのに別れ際まで目を合わせられずに薄気味悪い笑みを浮かべていた。本当は泣いて縋りたかったし、それができないなら最後くらい笑っていたかった。

文章を読んで、思い出さなくていいことが蘇ってくるものだから困っていた。

塗り潰すようにお笑いを見て、本物の笑いでつまらない感情を消した。夜はなかなか眠れなくて朝になって寝た。

それでも昼前に起きて、窓を開けて風を浴びた。空き地の草が靡いて、遠くの木が揺れていた。擦れてかさかさと音を立てる。

自分はどれだけ風が当たっても、風にはなれない。それを感じることしかできない。気圧の差を、温度や密度や、目に見えないそんなものを感じることしかできなくて、寂しい。透明になれたら溶け込めるのかな。

昼から、思い立ったように映画を見た。部屋の中でひとり、応援上映みたいな興奮が声になった。画面の大きさよりも、音の大きさよりも、現実感よりも、凄い迫力を感じた。透明じゃないから想像できたんだ。

続編もあるから忘れないうちに見たい。

それから引き続き動画を見て、音楽も動画で聴き、とにかく光る画面を見続けている。日は暮れて、部屋は暗くなっていく。

起き抜けで文字を書いているとき、何か考えていたような気がするけれどもう忘れた。

昨夜感じた、皮肉に気づけない甘さと辛さをぼんやり思い出して、その汚く入り混じった感情を、崩れかけている誰かにそっとかけたくなった。破綻した思考を繋いであげるから、と優しく声をかけて最後に鋭く切りつけるような冷たい自分がいた。

今日はずっと眠気が薄く覆っていた。目が覚めれば消したくなるような日記になったけど、きっと消さないんだろうな。

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