刹那の空間に閉じ込める。

死について話している。宇宙と死についての話を聞いている。

新しい精神で見る世界の想像や、概念のことなどを知らない人と話して、私たちはただ笑っている。

何の前触れもなく次の話題に移り、ここにはいない相手の話を始める。そしてやっぱりみんな笑う。

一瞬で空気が変わる。

切ない、という日本特有の感覚を語って、聴く人を納得させる。

段差を感じさせずに次の話題へ。誰かが、営業メールの返信について相談して爆笑が巻き起こる。声のない笑いもちゃんと聞こえてくる。きっとみんな同じ気持ちで聴いているという安心感がある。

その子とのその後と、その事のその語と。

急に真面目な相談に流れては、言葉の紡ぎ方について考えを述べる。

仲が良かった人と会わなくなっても寂しくないよ、だって忘れてるから。

その声が彼の口から離れて、その音が震えて届いた時は笑っていた。でも、そうだよな、忘れているんだから悲しいとか寂しいとかないよな、と改めて思った。気持ちが動くのは、まだ覚えているからなんだ。

宇宙みたいな闇から、無邪気な下心まで飛び越える瞬間、これまでの空気を疑うほど怖くなる。

声が消えて、光も無くして、また、ぽっかり空いた穴を思い出した。



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