積み上げられた現実と、祈り続けた僕らの最後。

他人の人生なのに勝手に端を重ねたから、勝手に落ち込んでしまった。変えられないから、どうしようもないのにどうしようもないから悔しくて寂しかった。

その空気を忘れたくないと思って少しだけ文章を書いた。自分の視点なのか、誰か他の人の視点なのか分からない、ぐちゃぐちゃの文章だった。ゆっくりまとめながら書くよりも、断片的でもいいから勢いを残したかった。体言止めも、繰り返す言葉も、何も構わないで書いた。

誰にも伝わらないかもしれない。結末どころか流れさえ感じられない。でもそれは、一瞬を拡大しただけだから正しかった。

今日は起きてからご飯を食べて少し寝た。足りていない睡眠を補うように寝た。

昼過ぎ、夕方前に着替えて外へ出た。自転車を漕いだ。でこぼこした道を進む。昨夜書いた文章を思い出して、あれは詩かもしれないと思った。記録というより感情の吐き出しだったのは確かで、泣いているのか笑っているのかはっきり分からないけど真っ直ぐだった。

強くて濃い感情がいくつも飛び出てきて、どうすれば良いのか分からなかった。だから言葉に頼った。忘れたくないから、言葉に残した。

そんな文章がもっと書きたいと思った。

小説も映画も受け取る気になれないから、いつもは読まない漫画を探しに古本屋へ行った。欲しい本は数冊記憶していたけれど、棚の場所も並べ方も分からないから、ひととおり見て回った。漫画本は背表紙が厚くて賑やかだった。小説よりも作者の名前を探すのが大変で、時間がかかったけれど最後まで見た。

結局欲しい本はなくて、空っぽの鞄をぶら下げて帰った。

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