🟠連鎖する「目的と手段」【B-009】～Museumソムリエ★インターン集中講義（４）

Museumソムリエ⭐インターン集中講義は、利用者視点(利用論)の獲得により、「ミュージアムにおける新たな視界」にアプローチするための準備プログラムです。インターンの皆さんはもちろんですが、一般の皆さんにも〈ご閲覧・一部参加〉していただくことができます。また、より深く実践的に考える「Museumソムリエ基礎講座」(メンバーシップ形式)は、2023年１月の開講を予定しています。

🟧Museumソムリエ⭐インターン集中講義
【第４回】連鎖する「目的と手段」

私たちが何かの行動をとる場合、「目的」としての行動と「手段」としての行動の２つのケースがあります。
ミュージアムの領域に限らず、「目的」と「手段」はどのような関係にあるのか、その基本的な構造について考えます。

(2022.11.13)

🟡目的なのか手段なのか
Museumソムリエの高山です。
私たちが「ミュージアムを利用する」と言う場合、
それは「目的」でしょうか、
それとも「手段」でしょうか。

「目的」とする行動を実現するためには、
「手段」として別の行動が必要になります。
例えば、
近くのスーパーマーケットに買い物に行く場面を、下図(連鎖する目的/手段)を見ながら考えてみましょう。
「スーパーで買い物をする」のは、
買った食材で料理をする〈目的Ｄ〉ための〈手段Ｃ〉だといえますが、
自宅からスーパーまで移動する〈手段Ｂ〉ことを必要とします。
また、
買った食材で料理する〈目的Ｄ〉のは、
家族と美味しい夕食をとる〈目的Ｅ〉ための〈手段Ｄ〉でもあるわけです。

このように、
どのような事象・行動も、それぞれに連鎖し、相対的な関係として「目的」と「手段」の２つの側面を持っています。(※最終ゴールたる「究極の目的」を除いて)

🟡社会システムの基本構造
この「連鎖する目的/手段」の関係を踏まえると、一つの社会システムのかたちを下図のように示すことができます。
つまり、
「目的として利用される部分」と
「手段として利用される部分」が
合体しているものと捉えることができます。

社会システムの基本構造

スーパーマーケットも、ミュージアムも、たくさんある社会システムの一つだと考えると、
ミュージアムの利用を構造として考える手がかりになります。

🟡「目的としての利用」と「手段としての利用」
ミュージアムを事業という観点で考えると、
従来の〈運営論〉では、
「博物館の目的は・・・」などのように、
◯運営者が目的とする事業
として説明されますが、
〈利用論〉での説明は、
◯利用者の目的となる事業
◯利用者の手段となる事業
の２つが必要だということになります。

利用の目的という観点から考えると、
◯目的としての利用
◯手段としての利用
の２つがあると言えます。

「目的としての利用」と「手段としての利用」

もし、「手段としての利用」という認識が弱い場合、多くの利用を失っていると考えられますが、そのこと自体に気がついていないとも言えます。
この２つの利用を、いかにつなぎあわせるかが今後の「運営の肝」となるでしょう。

次回、利用するとは選ぶこと につづきます。
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Museumソムリエ基礎講座(2023年4月開講)｜Museumソムリエ～利用論が変えるミュージアム｜note

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