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「新版 伊達の十役」の進化

「これから生き変わり死に変わり、裁き裁かれ、謀り謀られ、殺し殺され、宙を飛び地に潜り。。四十数回の早替りで十役を一人で勤めますれば、なにとぞお客様におかれましては、普段の十倍のご声援をお願い申し上げます」

これは本来の「伊達の十役」冒頭の口上の一部です。大好きな言葉。
10役の他に、本人として最初に口上を行うのです。

今月は’新版’として、決められた上演時間に合わせ編集され、ほぼ新作のような出来上がりです。この口上はありません。でも、この口上のセリフは伊達十を象徴していて、私は猿之助さんで聞きたいなぁと思っていました。

で、初日に大喜びしたわけです。口上としてではなく、劇中に入る。これがきた時の歓喜ったらありませんでした。もちろん宙は飛びませんので今回バージョンです。「ご声援」も無理だから「拍手」になっています。

今日はいつもに増して盛り上がりました!
初めて伊達の十役を演じるのに昔から演じていたような。猿之助さんに伊達十が馴染んでいました。何年も前に観た18役早替りをした時を思う。スピードがその時のように戻ってきました。先週よりも速い。同時に芝居のテンポが上がってきているからかもしれない。速くなった分、ゆっくり魅せるところが、より際立っていました。

ツボだったのが最初に与右衛門がハケる時の真顔。これから着替えに行ってきますよ~が面白かった。猿之助さんはこうでなくては。先週は早替りが速すぎてお客が気づいているのか心配したけど、今日はこういう工夫のお陰か、お客のリアクションが各所で大きくて盛り上がりました。私も思わず’ブラボー’と言いたくなるほど。

道哲もサイコー!踊りがいっそう楽しくなってる。役者さんはお客が盛り上がるとノリノリでやってくれる。お客は一層盛り上がる。。そのキャッチボールが楽しい。猿之助さんはノリノリだったと思う。私も拍手でノセたいと、ここぞというところは頑張った(笑)

これぞ猿之助歌舞伎なんだとワクワクしました。

また、政岡の印象が変わっていました。
山城屋さんだとは思うけど、だんだん猿之助さんの色が出てきたように思います。すっごく嬉しいです。子供が死んだことを嘆くシーンは、猿之助さんらしく想いを爆発させていました。千穐楽に向けて、どうなっていくのか楽しみです。

まだまだ書きたいことがありますが、また次回に。
とにかく攻め続けている猿之助さんが過ごすぎて感動でした。
めちゃめちゃ盛り上がった。感謝。

観劇後は友人とニューキャッスルでカライライス納めをしてきました。ここで猿之助さんの話で盛り上がるのが楽しい。今年もお世話になりました。歌舞伎座からさほど遠くないので皆様も是非。

一年のご褒美のような一日でした。

aya

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