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「芸術祭十月大歌舞伎」第一部初日 前編

芸術祭十月大歌舞伎 初日おめでとうございます!

第一部に行ってきました。

ひと月ごとに感染予防対策を緩和している歌舞伎座。今月から上演中以外の時間帯で、座席、ロビーでの飲食が黙食で可能になりました(一部、飲食厳禁エリアがロビーに有ります)。それにともない、今まで事前購入して花篭でお弁当を食べられたシステムが無くなりました。

1年半以上ぶりに座席で食べてみようと木挽町広場でお弁当を買い、劇場に入りました。幕間にいただきました。定式幕を見ながら食べたら想像以上に感動してしまった。もちろん「黙食」。案内スタッフさんがプラカードを持って廻ってくれています。

私の列の方は皆、離席されたので誰もいない空間。食後にロビーを出ると椅子で食べている方がたくさんいるし、歩いている人も多いしで混雑していました。座席で食べるほうが今は気が楽かもしれません。お陰様で私は快適に過ごしました。


さて、一つ目の「鬼揃紅葉狩」

感無量でした。猿之助さんの’更科の前’は美しく品があり、たおやかでした。久しぶりの姫。大河ドラマの色黒の文覚上人が夢だったのかと思うほど(笑)13年前に観た時の猿之助さんは30代前半。ひと時代を経て、パワフルなケレンとか、若さ溢れるとか、そういうことを超えた厳かな空気を纏っているように思えて感動でした。成熟した様子に、一人の役者さんを追いかける醍醐味を味わえたような気分です。

内容はやはり派手(笑)たおやかな姫の舞の中、時おり本性の鬼が顔を出す。客席がその都度ざわつきます。大好きなお酒を前にして、ついつい大胆に本性がでちゃったりもしますし。そういえば猪八戒の時も、見た目少女で時々猪八戒、という感じでしたが、その時よりも遥かにふり幅がすごい。

姫姿でどんどん本性を現していく様子は、踊りも表情も演技も真骨頂。これぞ澤瀉屋なのです。傳次郎さん方の太鼓のスピードや音が最高にテンションを上げてくれます。梅枝さんの時にもあった男性の太い声の叫び。。これがちょっぴり惜しかった。正面を向いていなかったように記憶するのですが、お顔が見えなかった。猿之助さんの声を知らない人は誰が言ったかわからなかったのでは?と心配してしまった。


門之助さんの品ある局と5人の若手侍女。登場して5人にびっくり!皆が美しくかわいい!特に種之助さんの美貌に驚いてしまった。ずっと口角を上げていて微笑みも美しい。29才でしたでしょうか。この先が恐ろしい。男寅さんはしっとり可愛らしく、鷹之資さんは切れ長の目が涼しい美人さん。玉太郎さんは優しい雰囲気で可愛く、左近くんは最年少ながらスッキリ系の美少女でした。

さらに驚きは、この若手たちとほぼ同じ動きをしている門之助さんです。局とは言え、舞もあるし、鬼女で毛振りもあります。鬼女は同じ化粧と衣装なので誰が誰だか。。みたいになっちゃうので門之助さんを常に探しちゃいました(笑)

でも、飛び跳ねて幸四郎さんにかかっていった人は、明らかに若手だろうと判断したり(笑)見慣れてくると見分けられるようになるかと思います。頑張ろう。

また、平維茂の幸四郎さんが素敵です。美しい男子。猿之助さんの姫と見つめ合ったりして恋が始まっちゃうのでは!!みたいな雰囲気もあり。後半の鬼女を退治する時は、髪を振り乱して戦うのが色気漂います。二人を観て、弥次喜多や男女逆だった吉野山を思い出してました。こうして澤瀉屋の演目で見るのはひとしおです。

雀右衛門さんの神女の登場は空気を一変させました。笑也さん笑三郎さんと平維茂を助けようとします。三人がほっこり。鬼女が現れる前の優しい時間です。

後半は猿之助さんのラスボス感ある鬼女と、6人の鬼女が、幸四郎さん猿弥さん青虎さん方と闘いになります。二階席からは全体の様子がわかり、フォーメーションの美しさとか、演奏の豪華さとか、猿之助さんの存在感の大きさがよくわかりました。

演奏がとにかく豪華。長唄、竹本、常磐津が三方に並び、ラストは全員で合わせて迫力満点です。私的には太鼓の連打が最高にテンション上がりました。

後見には寿猿さんのお姿がありました。えーと。。髪の色が真っ黒から進化してますよね!?いつからですか(笑)メインは段之さん段一郎さんががっちり。時々若手のお顔が見えました。総力戦で作っているのがわかって胸が熱くなりました。


まだまだ初日感があり、猿之助さんも進化していきそうです。今日もすごかったけど、猿之助さんの凄さはこんなものではないと信じています。鬼女の時の若手がもっと暴れてほしいけど。。これからどう進化していくのか可能であれば見続けていきたいです。

猿之助さんは10年前に博多座でも演じていて、その時は澤瀉屋一門の皆様が多かったよう。福山雅治さんが観劇で話題にもなりました。この時より貫禄ある猿之助さんです。おそらく今年ラストの女方だと思うので、叶う方は是非。

「僕は、亀治郎でした。」より

二つ目「荒川十太夫」は次回に。

aya

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