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【痩せる!?】筋トレのためだけの実践心理学11選

《はじめに》

例えばアドラー心理学では「人生は自分が主人公なんだ!」という様な自己決定性や「人の行動には目的がある」といった「目的論」など、人生を良い方向に変えていく為の考え方や理論などが学べます。しかしながら意志が強い人でないと「行動」に移すまでの障壁が高く、学んだところで実生活に活かすのは非常に難しいのではないかと考えていました。

そこで今回は理論はある程度説明しつつも「読んだその日に行動に移すことができる」心理学をいくつかの書籍から学び、厳選して11個にまとめました。少しでも実生活に取り入れて頂き、よい身体を手に入れる事の一助になれば幸いです。

【目次】
①《部分強化消去効果》
②《知っているということ》
③《10%ルール》
④《食べるモノを決める》
⑤《衝動性選択肢と自己制御性選択肢》
⑥《目標は少し高めの設定》
⑦《怠けタイムを予定に組み込む》
⑧《ルーキー・スマート》
⑨《3人の友人》
⑩《教育本能》
⑪《嫉妬の感情を利用する》

①《部分強化消去効果》

部分強化消去効果は「都合の悪かったことを忘れてしまう」という心理です。簡単にイメージして頂きたいのがギャンブルに身を投じている方々です。パチンコなどのギャンブルは時々勝つことはあっても、継続すればするほど負けが込んでいきます。しかしながら人はギャンブルを辞めることはできません。それは買った事だけを覚えていて、負けたことはなかったことにして忘れてしまうからです。

この心理学は筋トレを継続することに使えます。筋トレ初心者の方で多いのが「毎日筋トレを頑張れば毎週日曜日にケーキを食べることができる」といった小さなご褒美を設定しています。継続するために報酬を与えること自体は心理学的にも必要なことですが、より良い方法があります。それが報酬にギャンブル的要素を与えることです。

まず当たりが7分の1のクジを作成します。そして筋トレが終わった後に毎日クジを引き、当たりを引くことができればケーキを食べてもよいとするのです。このように報酬があったりなかったりすると、人はのめり込んで継続しやすくなるのです。今回は7分の1という確率を提案しましたが、計算すると1週間でケーキを食べられる確率は約66%となり、通常では100%なので必然的に食べる量も減らすことができるのです。確率を変えながらぜひ試して頂きたいです。

②《知っているということ》

物事にはポジティブな側面とネガティブな側面があり、同じものでも見方によってどちらか一方だけを見てしまいがちです。例えばインシュリンは筋肥大に一役買うというプラスな側面もありますが、脂肪を蓄えてしまうという一見マイナスな一面もあります(とある書籍ではインシュリンを肥満ホルモンと呼んでおり、私はおこです)。歳を重ねると体力も気力も低下する傾向がありますが、「歳を取ることで経験を積んで可能性が広がっている」とポジティブに捉えると寿命が平均よりも7.6年伸びるという面白い研究もあります。

また知っているのは、それだけでも効果的です。「その筋トレがどれだけカロリーを消費し、身体に良い効果をもたらすか」の説明を受けたグループと、受けていないグループでは、全く同じ運動をしているにも関わらず「説明を受けたグループ」の方が、体重も体脂肪も減少しやすくなるという面白い研究があります。「筋トレしても痩せないし意味ない」と考えながらやるよりも「今は辛いが健康に良いことをしている」などのように考えていると高い効果が期待できます。

③《10%ルール》

自分を変えなくてはいけないと人は誰しもが思っていますが、変われる人はかなり少ないです。それは「大きく変えようとしている」ことが原因と考えられます。「体重を10kg減らそう」「糖質を一切摂らないようにしよう」とハードルを高くし過ぎると、理想と現実の差にうんざりしてしまってうまくいかなくなってしまうのです。

10%ルールには「少しだけ」という意味が込められており、厳密に10%である必要はありません。体重で言えば「8kg痩せよう(体重が80kgの場合)」ではなく、「3㎏痩せよう」で問題ありません。目標の上限値の目安として10%ルールを活用するとよいでしょう。

そしてもう1つ大事なことは、もうちょっと頑張れそうと思っても「一定期間はルールを変えない」ことです。これは何を行うかによって変わりますが、約1月程度と考えましょう。1日5km走ると目標を立てたのであれば、最初の1か月は5km以上走ろうとしないようにしましょう。

④《食べるモノを決める》

ダイエットをしようと思った時には「炭水化物を食べない」「油っこいモノは避ける」など食べないモノを決めていないでしょうか。実はこれ、食べないモノを決めるよりも「食べるべきモノ」を決めた方が痩せやすいことが分かっています。「白米ではなく玄米を食べよう」や「野菜を食べる」など食べるべきモノを決める、考えた上で食生活を送るとよいでしょう。

またその効果を上げるために「写真を撮る」こともおすすめです。自分の食事を客観的に見ることができれば、自然と不健康な食事が減って健康的な食事を優先的に取るようになります。スマホで自分の食事を写真に撮り、見返せる様にフォルダを作ってそこに保存しましょう。最初はカップラーメンやポテチなどの不健康なモノが並んでいたのが、気づけば野菜やカカオ80%以上のチョコレートなど健康的な食事が並ぶようになるはずです。

⑤《衝動性選択肢と自己制御選択肢》

衝動性選択肢は「ほんの少し頑張れば少しの報酬が得られる」モノです。自己制御選択肢は「多く我慢すれば多くの報酬が得られる」モノです。この2つで選択されやすいのは、実は衝動性選択であることが分かっています。
例えば「今1万円貰える」「1週間後に1万5千円貰える」のでは、前者を選ぶ人の割合の方が多いことが分かっています。価値があるのは1万5千円というのは火を見るより明らかです。

ボディメイクに置き換えると「3か月後のモテモテボディ」よりも「目の前にあるケーキ」の方が魅力的に感じてしまうのです。本来はどちらに価値があり、どちらが自分の本当に欲しいモノかは明確なはずです。こういった心理があることを覚えておくだけでも、役に立つでしょう。

⑥《目標は少し高めの設定》

社会心理学者のエレン・ランガーの研究によれば、人間はエクササイズで設定した目標の3分の2くらいまで到達すると疲労感を覚えるとされています。つまりは目標を少し高めに設定していると、疲労感は本来の目標辺りでやってくることになります。

例えばスクワットを10回やろうと考えているならば、目標は15回ほどにしてくと良いです(15×3分の2=10)。人間はゴールが見えなければ頑張れない生き物なので目標は必須ですが、立てる際には少し高めに設定すると良いでしょう。

⑦《怠けタイムを予定に組み込む》

人間には「少し良いことをしたあとは、その反動で少しくらい悪いことをしてもいいかな」と考えてしまうモラル・ライセンシングという厄介な心理があります。例えば「今日はかなり走って頑張ったから、今日はラーメンを食べてもいい」といったようなモノである。だからこそ本格的にそのような心理が働く前に、「あえて怠ける」時間を設けます。あえて怠ける際には、映画を観たり、ペットと遊ぶなど本当に好きな事に没頭してよいです。

私が最近実践しているのは「何もしない時間」を作ることです。これは生産性を高めると数々の論文でも証明されている「瞑想」に似ています。しかし瞑想をするというのでは心理的ハードルが上がるため、ただただ「ぼけ~」っとする何もしない時間をあらかじめ予定に組み込むのです。私ですとバイト先の休憩時間の最後の10分ですとか、筋トレ行くのに気が進まないときに10分ほど「ぼけ~」としています。

⑧《ルーキー・スマート》

筋トレ中級者以上向けにおすすめの方法です。日本語で似たような言葉を挙げるとすれば「初心忘れるべからず」です。自分の経験や知識をいったん忘れ知らなかったことにし、初めて行うかのように物事に取り組むのです。端的に言うと「知らなかったら、どのようにふるまうか」を考えて行動します。

筋トレに応用すると、例えばスクワットはどのようにするのだろうかと考えて行動します。すると「鏡をしっかり見てやってみる」「インストラクターにアドバイスを求める」など、具体的な行動に移すことができます。この際にはあれこれ考えず、直感的な行動を信じてとにかく行動を起こすことが重要です。

⑨《3人の友人》

職場に3人の友人を作ると人生の満足度が96%上昇すると言われています。規則正しく健康的な運動や食生活を送るよりも、良い人間関係を保っていることで2倍も寿命が長くなり健康でいられることが分かっています。人の幸福感というのは基本的には主観で決まっているため、付き合う人との関係が良ければ自然と幸福度が上がります。

とはいってもジムで友人を作るのはなかなかに勇気がいることは百も承知です。そこでおすすめなのがジムの受付やトレーナーと仲良くなることです。私はほぼ毎日ジムに行くため何度も受付の人と接触があるため、雑談をするくらいには仲良くなっています(心理学でも単純接触を繰り返すだけで人は相手に対して好感を抱くと言われています)。これには副次的効果もありまして、ジムをサボってしまうと「あの人今日もサボったな」と受付の方に思われてしまうかも知れず、それを防ぐためにもジムに行ってしまうのです。

次の項目の《教育本能》ではジムのトレーナーに話しかける心理的障壁を低くできる様になります。

⑩《教育本能》

人に何かを教えることは「感謝される」「相手よりも一段上になった気になって優越感が満たされる」などの気持ちよさがあります。そういった教育本能は人間なら誰でも持っています。経験はありませんが、上司と飲みに行くと延々と仕事の極意について話を聞かされるなどが例に挙げられます。

つまり、ジムに行った際にトレーナーの方に筋トレの方法を少し尋ねて見たり、姿勢を見てもらう様に頼むことは迷惑ではなく、むしろ気に入って貰えることに繋がる可能性が高いです。

私自身も書籍や論文で得た知識を皆さんに共有するように努めていますが、これも一種の教育本能に変わりはありません。そう思うと、ジムでトレーナーの方に声を掛けるのも障壁が低くなります。

⑪《嫉妬の感情を利用する》

「あの人は○○を持っていて羨ましい」という嫉妬の感情に苦しめられた経験が誰にでもあるかと思います。嫉妬やひがみは自分の欲しいモノを他人が持っている時に初めて生まれます。一見マイナスな感情ですが、うまく利用する事でプラスに変わります。それは「明確な目標」であるとに捉え方を変えるだけです。

「私と違って、あの人の身体は格好いい&綺麗だ」と嫉妬の感情を抱いた時には「自分の目標とする身体が明確になった」とポジティブに捉えましょう。もちろん最初は難しいかと思いますが、「嫉妬の感情は自分に足りないモノを教えてくれる」と素直に思うことができれば、しめたものです。


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