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音楽を仕事にするということ#1

みなさんこんばんは、MUSAKOドラム教室の茂木草馬です。

このnoteではこれまで主にドラムにまつわるコラムやレッスン動画を中心に更新してきましたが(これからもその予定です)今日は少しテーマを広げて、
"音楽” "仕事" ”ドラム" というような角度から自分の経験や考えを元にお話ししてみようと思います。

(なんとなく長編になりそうなので何話かに分けようと思っています。)

ドラムで食っていこうと考えている方、もしくはなかなか難しい状況の方、僕も余裕綽々というわけではありませんが少しでも参考になれば幸いです。
もちろん音楽やドラムのことはよくわからないけど読んでみようという方でも楽しめる内容にしますのでぜひご覧ください(^_^)

簡単に自己紹介

まず初めにどんな過去を経て今に至るのか、ライブのフライヤーやHP等では紹介しているのですが、ここでもざっくりと僕のプロフィールを書いてみます。

90年生まれ。3歳~15歳までヴァイオリンを習う。
ドラムは5歳の時に少し習うも先生が留学渡米のため休止。

15歳の時にカノウプスドラムスクールにて堀越彰氏にドラムを本格的に習い始める。(ここでは基礎や主にジャズを学ぶ)
高校の時にバンドを始め、市のイベントや自主企画、様々なライブを経験する。(もちろん星の数ほどいるアマチュアバンド止まり..^_^;)

昭和音楽大学入学後は憧れの則竹裕之氏に師事。演奏面、また精神的にも大きな転機となり、卒業後も代理でリハーサルに参加等、現在も交流が続く。
大学在学中から少しずついわゆる演奏仕事も経験する。

卒業後は運よく新規音楽教室立ち上げのタイミングでドラム講師に採用される。バイトと並行して演奏活動、そして自身のMUSAKOドラム教室の立ち上げ、先述の音楽教室の4本柱でなんとか食いつなぐ、といった生活をする。

その後は大手の誰でも知ってる芸能事務所とのお仕事や、ポップス、自身のjazzトリオ、演歌歌手、などなどジャンルも様々な演奏の場を与えてもらう。
そうこうしている間にもう一社音楽教室にこれまた運よく採用される。
自身のドラムスクールも少しずつ生徒さんが増え、ここまで柱が増えてくるとバイトもなんとか辞められるだけの収入になる。
軌道に乗ったタイミングで、大学卒業後からお世話になった音楽教室は退社し、さあ心機一転頑張るぞ!!と思ったらコロナで大打撃!!←イマココ。

以上ざっくりでもなかったかもしれませんが、(笑)こんなところです。


ドラム(音楽)を長く続けたい

実は僕はどうしてもプロドラマーになりたかったわけでも、ドラム講師になりたかったわけでもありませんでした。
そして何よりバンドマンに憧れがなかったのです。
理由は簡単で、色々な人と音楽をしたい、色々な音楽を叩けるようになりたいから。
そしてほんの一握りのバンドを除いてはもれなく解散、売れなくなる=稼げなくなるのです。ドラムが上手くなりたい、もっとドラムのことを知りたい、という欲求とはどうしても努力のベクトルが異なるものでした。
小生意気な考えですが、今もその考えは変わっていません。(特にいろんな音楽に触れたいということ)

そしてもう一つの理由。
僕がプロを意識しだした10数年前の段階ですでにプロとアマチュアの線引きは難しかった。もちろんトップスターレベルのドラマーは誰がなんと言おうとプロなのですが、そうでないプロもいっぱい、その逆でプロのように上手な、時にはギャラをもらっている人気のあるサラリーマン掛け持ちのドラマーもいっぱい。
そうなって来ると、もはやプロになりたい=どういうこと?となってしまったのです。
重要なことはプロ=なに?ではなく、プロになるということが目標ではなくなったということです。

そこで僕は20歳ぐらいの時に一つの覚悟を人知れず決めるのです。
"一生かけてドラムを突き詰めたい"
ドラムを極めるには一生かかっても足りない、と悟りました。

大学生活を通してどんどん音楽、ドラムの面白さに気づき、そしてハマり、もはや誰々のようになりたいとか、プロになりたいとかいうそんな小さいテーマや目標では無くなっていました。そんなことよりも、ドラムを極めると決めたのに、いずれ辞めなくてはいけない状況が来ることを危惧しだした、という感覚でした。


辞めなくてはいけない理由はたくさんある

音大生でいるうちはもちろん職業が学生なので、ドラムの練習に明け暮れていても、仕事がなくても特に問題ありません。
ただ問題はその後の進路です。
ほとんどの音大、専門学校ではプロミュージシャンになるための斡旋や、優遇措置がありません。4年生、もしくは専門卒のタイミングでなんの装備もなく世に放たれる感じです。
学生生活の中でできた音楽仲間とその後も活動を続けるもよしですが、基本的は立場が一緒のもの同士が集まっている状態では即効性のある打開策は生まれにくいのです。

卒業するまでに才能が開花し、ツアーやレコーディング、テレビに引っ張りだこ!なんて人はこれまでの長い歴史を振り返ってもごく一部、年によっては一人もいないこともザラです。
また僕の卒業したロック、ポップス、ジャズ系の学部はどの大学も全学年合わせて100人もいれば多い方で、中には途中から一般就職に切り替えて就活をする学生もたくさんいます。

大学生活を通して己の実力や立場を俯瞰で見ると、これから長い人生、ずっと音楽で稼ぐのはきつそうだ。。
数年成功すれば良いのではなく、長く続けるには持続力が必要。。
そもそも一発屋どころか0発屋で終わる気がする。。
今はバンドが少し軌道に乗っているけど十分に稼げるほど長く生き残れる気がしない。。
卒業したらすぐに働くように親に言われている。。

などなど音楽を仕事にすることを諦めないといけない理由は他にも山ほどあります。
悲しいことですが、趣味でやる音楽とは訳が違いそれで生活をしないといけないので、やはり稼げないといけないのです。

長く続けたいから、稼げる道を

僕の話に戻すと、周りのみんなと同じように卒業と同時に世に放たれました。その当時音楽仲間はいても、その繋がりが僕も含めて(他の仲間から見て僕と繋がっていることが稼ぎにつながるわけではないということ)稼ぎにつながるわけではなく、またお金に執着していても扱いづらい人というイメージにもなるので、なんとなく同じような立場の仲間や繋がりから仕事をもらう、または一緒に仕事をする、ということに早々に見切りをつけました。

結局はドラムを辞めない理由が欲しかったのです。
(辞めないといけない理由は先述の通りいくらでも考えつきました。)

すごくわかりやすいところで言えば稼いでいるから、辞めなくてもいい。
人に必要とされているから辞めなくてもいい。
これから発展していきそうだから辞めなくてもいい。などなど。

ドラムを続けられる理由を探していました。

そこでプロフィールにも書きましたが、運よく卒業した年の8月ごろに音楽教室のドラム講師募集という記事をネットで見つけました。ただ稼働日は週に一回のみ。
プロになりたいとか講師になりたいとかではなく、ドラムを続けたい一心の僕はすぐに当時のプロフィールをまとめ応募し、後日面接や実技試験的なものを受けました。
そして採用が決まります。

ドラムを続ける理由が欲しかった僕にとっては大きな理由ができたし、何より人に必要とされる、そして何人かの応募があった中で選ばれたことは自信になりました。
卒業後の4月からはバイトやなんとなく仲間とのライブをしたりと、このまま続けていても何もない典型のような生活をしていた僕にとっては希望の光が差し込みました。
なんせいくら週一といっても立派なお仕事ができたわけです。卒業して割にすぐにそういうところを見つけ、採用してもらえたことはラッキーだった!!

続く


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