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ギュンドアンのフリー移籍の裏話

先日、ギュンドアンがバルサよりフリーでマンチェスターシティへの再加入の報道がありました。
この裏話の記事がthe athleticを含めtelegraphに掲載されていました。
今回その記事を含め複数の記事を引用元としたものを投稿いたします。
散々擦られきて鮮度も無くなってきていますが、ぜひご一読のほど。

引用元:
https://www.nytimes.com/athletic/5689141/2024/08/09/barcelona-finances-transfers-registrations-la-liga-explained/
https://www.nytimes.com/athletic/5689141/2024/08/09/barcelona-finances-transfers-registrations-la-liga-explained/
https://www.nytimes.com/athletic/5716208/2024/08/23/ilkay-gundogan-barcelona-man-city-inside-story/
https://www.nytimes.com/athletic/5718867/2024/08/23/dani-olmo-barcelona-la-liga-registration-update/


現在のバルセロナの経済状況

のび太政権の散財

のび太くんこと前会長のジョゼップ・マリア・バルトメウ政権時にクラブが莫大な選手の給与と移籍金が原因となっています。

  • メッシ:税引き前年俸1億€以上

  • フィリップ・コウチーニョ:移籍金1億6,000万€

  • ウスマン・デンベレ:移籍金1億4,800万€

  • アントワーヌ・グリーズマン:移籍金1億2,000万€

など、メッシを除きパフォーマンスが価格に見合わなかった選手に多額の投資を行いました。
また、追い打ちの如く、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによりカンプ・ノウが1年間閉鎖され、マッチデーの収入がゼロになりました。

本当にメッシというドラえもんに頼りっきりだったのび太くん

メッシの退団という泣きっ面に蜂

2020年10月にバルトメウの退任時にクラブの負債は13億5000万€となった。この借金とラ・リーガのサラリーキャップ制の原因でメッシと新契約を結ぶことができず放出せざるを得なくなった。

この会見にも遅れてきたデンベレとは。

ラ・リーガのサラリーキャップ制

ラ・リーガには、各シーズンの開幕時に各チームの前シーズンの収入に応じた人件費(選手年俸+移籍金の償却費等)の上限額を決めており、収入の70%以内に留めるというもの。
バルセロナは数年前からサラリーキャップ超過のペナルティとして、売却、放出した選手の費用をそのまま使うことができない。違反したクラブは、前年からの不足に対処するまで、チーム内に新しい選手を正式に登録することができません。

マドリディスタのラ・リーガ会長テバス

ラポルタ起死回生のパランカ

後任のラポルタは、米国の投資会社シックス・ストリートへ今後20年間の国内テレビ収入の25%やバルサスタジオの株式やクラブの事業活動の一部などの資産売却を伴う、スペインでは”パランカ”と呼ばれる財政的な”レバー”を引くことで8億ユーロ以上の資金を集めた。
2023年には、Web3プラットフォームであるバルサビジョンを発足しました。4億ユーロ相当の価値があるとされ、その29.5%の1億2千万ユーロの株式をドイツのリベロ社とアムステルダムを拠点とするNIPA社へ株式売却を行なった。
2023年4月には、15億ユーロを借り入れ、カンプ・ノウの改修工事に着手した。

成功体験が彼を突き動かせるのか?

この回収期間中、カンプノウより収容人数が少ないモンジュイックがホームとなりのマッチデー収入は推定 1 億 5,000 万ユーロの損失と見込まれている。

モンジュイックスタジアム

落とし穴

2月の時点でのバルサのサラリーキャップ上の上限額は2億400万€で、だが、23-24シーズンの実費用(給与と移籍金の償却費の合計)は4億9,200万ユーロであり、
つまり、バルサは昨シーズンの給与制限を大幅に超過した状態であった。
また、前述のバルサビジョンの株式売却でリベロ社から支払われるべき4000万€が支払われなかった。
ちなみにこのリベロ社はweb3.0に関わるメディアやテクノロジーの経験もなく、2023年時点で疑問視されていました。

元チェルシーCEOのケ二オン氏がリベロの副会長らしい

バルセロナの今夏の補強戦略と打開策

今夏の補強戦略

左ウィングのプライオリティーが高く、ユーロでの活躍が記憶に新しいニコウィリアムスやダニオルモの名前が挙がっていた。
8月9日に推定6000万ユーロの移籍金でダニオルモの加入が発表された。
ただし、サラリーキャップが原因となり、ラ・リーガの選手登録はこの時点で不可である。

打開策

①選手売却および放出
カンテラの
ファイエ→レンヌ
リヤド→ベティス
マルク・ギウ→チェルシー
エスタニス・ペドロラ→サンプドリア
等を売却して約3,000万ユーロを稼いだ。
デストがフリでPSVアイントホーフェンへ放出
マルコス・アロンソ→セルタが6月に契約満了で退団
ロメウがジローナへレンタルバック
冬に獲得したビトールロケはベティスへレンタル
ラングレはアトレティコへレンタル

冬に加入して夏に放出のロケ

アラウホとフレンキー・デヨングも放出候補だったが、怪我のため放出できなかった。
また、トーレス、ラフィーニャ、ギュンドアンなども放出候補であったが選手が前向きではなかった。

②新規スポンサー
現在のユニフォームのメーカーの ナイキとの契約を終了し、より高額なスポンサーと契約を試みたものの、アメリカの裁判所より却下されたが、現在は契約内容の見直しが行われている。
また、アメリカのケータリング会社のアラマーク社がバルサビジョンの株主となることが発表され、リベロ社が支払うべき4000万€をカバーすることが期待されていますが、現在は一部しか支払われていないとのことです。

ギュンドアンの動向

契約状況

ギュンドアンは自身の給与がバルサの負担となっていることは理解しており、また”エントルノ”と呼ばれるバルサ独特のメディアや周囲からの圧力の中にいたが、あまりに気に留めていなかった。
昨シーズン60%以上の試合に出場したため、契約が1年追加され、2026年まで延長されていた。

何かしらの意図を感じる

転機:ギュンドアンとフリックのミーティング

8月15日の朝、ギュンドアンはバルセロナのトレーニング施設に到着し、チームのシーズン開幕戦であるバレンシア戦に集中する準備をしていた。練習後、ハンジ・フリック監督とのミーティングを行い、その数時間後ギュンドアンとその側近たちはクラブから離れる準備を始めた。

どのような内容の会談であったか明確になっていませんが、自身の起用法についてだと推察されています。
昨シーズン、シャビ政権下で最も起用された選手はギュンドアンであったが、現在、同じポジションには、ペドリ、フェルミン・ロペス、そして新加入のオルモがおり、どのような回答がフリック監督からあったかは分かりませんが、移籍を決断したということはいい答えではなかったのでしょう。

ハンジフリック誰それ?byジャガー

ラ・リーガ開幕戦のバレンシア戦前の記者会見においてフリックは、「私は彼のことをよく知っています。私は選手と彼という人間に感謝しています。私たちはすべてについて話しました。彼は残留する気がする」
しかし、匿名のギュンドアン関係者によると、ギュンドアンはフリックと異なる見解を持ってミーティングを終えたと語った。
自分をドイツのキャプテンに任命した監督であるフリックへの敬意を強調したが…

シティの復帰に向けて

その夜、自宅に戻った彼は、自身の不透明な環境の中でペップ・グアルディオラに電話した。
ギュンドアンはシティに戻る可能性があるかどうかを知りたかった。彼の心の中では、バルセロナから離れるとしたら、シティが唯一の場所だった。
今夏、トルコ、カタール、サウジアラビアのクラブから関心を寄せられたが、シティ以外の移籍先の選択肢はなかった。
グアルディオラとの電話は長いものではなかった。
グアルディオラは喜び、シティの上層部と決議を取る時間を求めた。

そら行くわ

翌日の金曜日のトレーニングセッション前に、シティではギュンドアンの復帰のゴーサインが出ていた。
この時点で、シティのフットボールディレクターのチキ・ベギリスタインも選手に話をしていた。

土曜日にバルサがバレンシア戦を2-1で勝利した翌日の日曜日、ギュンドアンの代理人はバルサのスポーツディレクターのデコに移籍を検討していると伝えた。(ギュンドアンはメンバーにいなかったが、フリックの説明は5日前の親善試合での脳震盪であった)
バルセロナは当初、ギュンドアンの代理人との話し合いの中で、移籍金を要求することを示唆したが、すぐに取り下げられ、フリートランスファーで放出することに同意した。
移籍金は手に入らないが、稼ぎ頭3人の一人だった彼の賃金のコストカットすることができたが、バルサ関係者によると、それだけでは、オルモを登録するには十分ではないと述べている。
火曜日、ギュンドアン陣営はデコにシティ復帰の意向を伝えた。
シティからバルサへ移籍して、1年余りだが、シティの選手スタッフとの絆の強さは何も失われていない。

シティとギュンドアンの絆

  • グアルディオラの家族は、ギュンドアンがバルセロナに来て最初の数週間、家探しを手伝った。

  • 親友のベルナルド・シウバとも何度も会っており、ベルナルドの義理の妹マリアナはバルセロナに拠点を置いており、ギュンドアンとベルナルド両選手の妻同士で仲が良く、この夏カタルーニャで行われたマリアナの結婚式に出席した。

  • ユーロ2024 でギュンドアンが1ゴール1アシストを記録し、ハンガリーにに2-0で勝利した試合中、グリーリッシュはインスタグラムに「この選手がどれほど優れているのか説明できない」とポストした。

  • バルサのアメリカでプレシーズンツアーを行っており、ユーロ参加の疲労を考慮して、バカンスが与えられ、7月末にオーランドで合流する予定だった。
    その前週はニューヨークでパートナーと時間を過ごしていたが、偶然にも、マンハッタンでシティのスタッフ数名に遭遇した。その後、合流間もないため、バルサ対シティの試合に出場しなかったが、試合ではグアルディオラ、アシスタントコーチのフアンマ・リージョ、そして元チームメート全員から温かい歓迎を受けた。

引退後のキャリアプラン

ギュンドアンはすで引退後の人生について考えており、指導者としての野心をオープンにしている。
先のグアルディオラとの電話で、将来の監督として教育を続けるつもりであることを確認し、53歳が近い将来どこにいても裏方スタッフに加わることに興味があると示唆し、グアルディオラもこのアイデアを歓迎した。

復帰完了

水曜日の夜、ギュンドアン監督はグアルディオラ、弟のペレ、そしてシティ幹部のフェラン・ソリアーノとベギリスタインと、彼らが一部所有するマンチェスターのレストラン「タスト」で祝賀会を開き、再会は完了した。
ギュンドアンはマンチェスター時代に住んでいたアパートを今も所有しており、隣はグアルディオラである。

一方のダニ・オルモ

宙ぶらりんの状態

ラ・リーガのサラリーキャップの上限額を超過したペナルティとしてバルセロナはオルモの選手登録が不可となっていた。
オルモは8月12日、バルサの伝統的なシーズン開幕戦となるジョアン・ガンペール杯で、バルサの選手として表彰された。
オルモ自身、契約前からバルセロナが金銭面で苦戦していることは承知しており、バルセロナができるだけ早く問題を解決してくれると一定の信頼を寄せていた。

自分の育てのクラブだから信用するわ

しかし同時に、オルモに近い関係者によると、オルモが開幕節までに登録できないメッセージには、彼は不快だったそうだ。
ユーロ2024のもう一人のスペイン代表スター、アスレティックのニコ・ウィリアムズは、この夏バルセロナと契約するのではないかと噂されていたが、彼の5,800万ユーロ(約4,900万ポンド)の移籍金と年俸がクラブの負担を超えていることが明らかになった。アスレチックのジョン・ウリアルテ会長は、バルセロナがウィリアムズの登録が承認される見通しがないまま契約を結ぼうとした場合、法的措置をとると脅し、
カタルーニャのクラブは22歳のスペイン人ウインガーとの契約を断念し、オルモとの契約を行なった。

登録の裏技

その後バルサは今週月曜日の午後の驚くべき一手に出た。
ラ・リーガ関係者によると、登録選手が4カ月以上の離脱につながる負傷を負った場合、新規に選手登録が認められ、オルモの登録は承認される予定だという。
ラ・リーガの財務規定第77条によれば、影響を受けたクラブは、給与が負傷選手の80%を超えない限り、代替選手を登録できる。 後任の選手に支払われる給与総額は、ラ・リーガの次回の給与制限の計算から差し引かれる。
バルサは、チームのクリステンセンのポジションでオルモを申請した。デンマーク代表は先週アキレス腱を負傷し、全治までの期間は当初1カ月と見積もられていた。
同じラ・リーガ関係者によると、バルサはクリステンセンの負傷に関する診断書を提出しており、それがこの登録規則が適用される要件を満たしているとのことだ。

その前例

昨シーズン、ガビが前十字靱帯損傷を負ったため、バルサは同じ方法でフォワードのロケを2023-24シーズン後半戦で選手登録した。
彼らは今夏もこのルールを利用し、コパ・アメリカでアラウホがハムストリングを負傷した後、イニゴ・マルティネスを登録した。
バルサがこのルールを適用してオルモの登録を完了した場合、マルティネスと同様に12月31日までラ・リーガに登録されることになる。その後、バルサは両選手を再度登録する必要がある。クリステンセンとアラウホの登録ステータスは影響を受けない。彼らが怪我から復帰しても、プレーする資格は残る。
ラ・リーガは、4人の独立した医師によって形成された医療委員会があり、この点に関して恣意的な決定が存在しないことを保証していると強調している。

今後

現在、バルセロナはナイキとの新規契約締結を進めている。
その契約は現在の一年6000万ユーロの契約金から1億ユーロへと引き上げることである。この新たな”レバー”により、サラーキャップ制のペナルティから解放され、ニコ・ウィリアムスやミランのラファエル・レオンとの契約を目指す。

※サラリーキャップ制の追記
バルセロナは、人件費(選手年俸&移籍金の減価償却費)を全予算の約70%に留めなくてはならないサラリーキャップの超過に今も苦しんでいる。同クラブは「人件費の5%以上を占める選手を売却した場合、その選手のために支払っていた年俸の70%分しか新たな人件費に回すことができない(占める割合が5%未満の選手の場合は60%)」「選手売却の移籍金として得た収入から使い回すことができるのは35%のみ」などのペナルティーを科され続けており、選手放出と獲得を“1:1”の比率で行うことができていない。

最後に
現在のメンバーでも十分戦えると思うのだが、ライバルのマドリーには爆速亀太郎が加入し、より力をつけたのだから、昨シーズンただでさえ後塵を拝したのだから、補強しないといけないというのも分かる。ただ、現在借金を返さないといけない現状も変わらず、フリーなどで獲得した選手をすぐ売らないといけない状況となっています。
次回は、telegraphにて掲載されたここ三年でバルサで買って売った選手11人の記事を投稿したいと思います。
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また、改善点等あれば、そちらもご指摘のほどよろしくお願いします。

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