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「組織の7S」のフレームワークはほんと重宝してます。マーケ組織の作り方。 #ターゲットは長万部 第27号

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ムロヤメルマガ「ターゲットは長万部」
2020年10月20日 第27号

/今週の目次/
1. 付箋と読む「外食業・究極のセオリー」
2. 特集「マーケティングと組織の7S」
3. 編集後期

毎週日曜日更新/月額550円(税込)
※日曜日更新に変更になりました。
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こんにちは。ムロヤです。

今週号は、付箋と読むでは「外食業・究極のセオリー」をご紹介。
特集は「マーケティングと組織の7S」です。

■このメルマガについて
「知識」は陳腐化しても、「知恵」は風化しません。
お金や物や資産を失っても、頭のなかの知恵は誰にも奪えません。

思考法や視点というツールは、人生をサバイブする一生の資産にもなります。
マーケティングにも人生にもきく技法としての思考法です。

このメルマガでは、『マーケティングの体幹を鍛える』をコンセプトに、知識でなく考え方を毎週お届けしています。

・マーケティングについて本腰を入れて学びたい
・本を色々読んでみたものの、どこか腹落ちしない
・今年からはインプットの質を高めていきたい
という方々はぜひ参考にしてみてください。

これまでバラバラで枝葉だった知識を、幹につなげ、根をはりめぐらせます。

それでは今週号もお楽しみください。

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■1. 付箋と読む『外食業・究極のセオリー』

このコーナーでは、毎週一冊、実際に読んで良かった本を紹介するコーナーです。
実際に付箋をした箇所と、そのプラスアルファの解説・考察をお伝えします。

今週は外食業について。
著者は外食経営専門誌『フードビズ』主幹で、多くの外食業を取材してきたプロ。

===
外食業・究極のセオリー
https://www.amazon.co.jp/dp/4903458148
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それでは、付箋を紹介していきます。
今回はわりと一字一句書き起こしたものではなく、意訳も含まれているのでご注意を。

▼ムロヤの付箋と心の声
・原価率30%は誰の常識?50%とかにすれば喜ばれて、口コミで繁盛する
→販管費と原価率とか、いろいろ考えようと、と。ULSSASの思想にも近いです。

・儲けたがってる店と、お客さんに喜んでもらってしょうがない店はすぐにわかる
→確かになんかわかるかも。

・客数を増やすメニュー、客単価を上げるメニュー、粗利を稼ぐメニュー
→原価率は凸凹でなければならないと。

・高原価のバリュー訴求で客数を増やし、他のメニューでしっかり稼ぐ
→スーパーの特売卵や牛乳みたいなものですね。

・メニューの絞り込みとキッチンのコンパクト化が、コストを下げる
→人件費、仕込み、水道、光熱費など。確かに。むやみやたらにメニューを増やすと、オペレーションコストが増し増しですからね。飲食業に限らず。

・コア商品と浮気商品
→ネーミングいいっすね。定番品と販促品(季節商品)ともいえる。

・目先の銭を追うと、評判が落ちる
→儲けたら独占せずに原価や従業員に還元しないとですね。

・多店舗展開するにも、価格で売れてる店はすぐ真似される。
→うむ。

・立地で売れてる店は、特殊要因だから、立地が変われば繁盛するとは限らない。
→売れてる要因を把握しておかないと、実力を見誤って勝てない戦いを挑んでしまう。

・家庭の主婦が調理放棄したメニューを狙え(とんかつ、天ぷら、揚げ物など)
→なるほど

・コンビニができることはやるな。
→競争優位を考えるポイントですよね。

<まとめ>
切れ味の良い言葉の応酬でスラスラ読める一冊です。
さらに現場感覚が詰まっており、これは時代を超えて通用する考え方だなと思いました。
読む前と読んだ後では、街中の飲食店への見方がガラッと変わりますよ。

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■2. 特集「マーケティングと組織の7S」

最近、マーケティングについてよくご相談をいただきます。
立ち上げたばかりのベンチャーでしたり、スタートアップの新製品について、個人で活動している音楽について、などなど。

大規模なマーケ投資ができないなかでも、なにができるでしょうか?

例えば、各論の戦術だったらこんなのがありますよね。

・話題商品づくり

・ソーシャルメディア
 自分でもやって、SNS検索に引っ掛かるようにしよう。
 お客様にも投稿してもらおうとか。

・PR
 プレスリリース書いて、地元の新聞社とか小さなウェブメディアに送ってみよう。
 電通のPR IMPAKTのフレームワークでアイデア考えるとか。
 https://www.dentsu-pr.co.jp/pr/pr-impakt.html

・SEO

・ウェブサイト制作、コンテンツ制作
 ソーシャル時代にはマイクロコンテンツだな。シェアされやすいように。オープンもクローズドの会話も。

・チラシ

などなど。

また、このようなマーケティングを実行するための組織を作る観点も大切。

組織づくりについては、いろいろ語ってきました。

マーケティングリーダーズ会議 〜withコロナ時代を生き抜くマーケティング組織のつくり方〜
https://satori.marketing/events/conference-20200820/

MarkeTree#12「マーケターが考える最強のチームづくり」
https://marketree12.peatix.com/

実行力が強い組織づくりの要諦は、「システム思考」にある(1万1000字)
https://note.com/muroya/n/nf44ed6d3bd74

割と一家言あります。ちょっと語らせてください。

* * *

マーケティングも組織も、「行動変容」のために作り上げるもの。
その対象は、マーケティングだったら顧客、組織だったら従業員やパートナーです。

また、組織づくりとは、一人一人が組織のために正しい行動を取る確率を高めること。
望ましい行動をとれる組織にしたいから、組織構造や意思決定システム、報奨システム、業績モニタリングシステムとか作り上げるのです。

ですので、組織づくりもマーケティングと同様に、「人間理解」が起点だなと改めて身にしみて思います。また、叡智の結集の理論を使うことによってある程度のパターン化や方向性は導き出せるけど、この世に同じ人は存在しないから、具体は現場を見つめることでしか掴めない。実行には地道力だなと。

人間理解が全てのベースになるため、マーケティングも組織マネジメントも、その人が「人間とは何か」をどう捉えているか、そしてなにが人間にとってハッピーなのかを信じてるかによって、打ち出してくる手って変わります。思考の立脚点が着地点を方向づけする。

* * *

どんなに美しい戦略やフレームワークがあっても、最後は泥臭いアイデア出しとエグゼキューションで決まります。
見方を変えると、前者は割と論理の世界で導き出せるけど、後者はクリエイティブジャンプだったり組織や人間の感情を扱うので、局面局面の踏ん張りポイントがたくさんあります。

いくら「組織運営に感情はいらない」と言っても、その実行環境が意思決定時なのか、日頃の社員の働きっぷりのパフォーマンスなのかで感情への向き合い方はまるっきり変わります。こういう前提を無視してマネジメントの法則的なものを鵜呑みにするとだいたい組織は壊れる。人間理解あっての組織理解の順だと思うのです。マーケティングにおいても、人間の汚い生々しい側面をリアリティとして受け止めないと。きれいなさらっとした施策は、さらっと流されるだけですよ。

また、エグゼキューションの面でも、当たり前を当たり前に行えるためには、意識変革とか個人技に頼らず組織として経営体として仕組みでワークするように設計しないと、組織が大きくなって気を使う相手がだんだんお客様から離れていって当たり前のことが出来なくなっていきます。ここが言葉で言うと簡単なのですが、実際に実行するとなると超ムズいのですが。

昨今バズワードのDXについても、実行するとなると組織の壁にぶち当たります。
もはや自己保身の保守本流と、革新派の戦いです。

マスとデジタルと、店舗とECの対立構造問題にも似ていますね。 本質的にはどっちをどうとかじゃなく、どう統合的に考えて使い分けたり組み合わせるかの論点です。 解決策も近く、対立しないように組織をガッチャンコしたり、報酬設計を変えることだったり。そして問題解決をリードすべきなのは経営層とか。だからデジタルシフトとオムニチャネル化は大事な経営課題であって、トップが徹底して動かさないと変わらない。


* * *

ちょっと組織の話が多くなりました。

思考実験として、自治体広報のゲリラマーケティングの場合で考えてみてみましょう。

関係人口の活用がキーになってきます。それはなぜか、人口が少ないからです。また、移住者はそう簡単に増やせるものでもないからです。

ここでのポイントは、出身者の活用だと個人的には思っています。

とりわけ人口1万人未満の小規模市町村の街のような場合ですと、たくさんの人々が都市に働きに出て行ってますよね。これって弱みではあるんですが、裏返していると歳で働いている関係人口が多いということになります。これを活かさない手はないですよね。

例を紹介します。北海道の余市町では、北海道出身者外部の広報アドバイザーとして起用しているんですね。

施策例
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000052845.html

このように活躍する機会を出身者にご用意する。これだけで全然違うと思います。
今の時代、ネットを通じて全国どこでもコラボレーションすることができて、わざわざ役場に通勤する必要がありません。
ですので、チャットワークや Facebook メッセンジャー等を利用して一緒にお仕事をするんです。
では、こういった戦略を実行するための組織についてはどうするか。少し説明をします。

マッキンゼーの「7S」というフレームワークで説明します。

マッキンゼーの7Sとは何か?図でわかりやすくフレームワークを詳解
https://www.sbbit.jp/article/cont1/30243

まずストラクチャー。これにつきましては、外部との協働がうまく働くように設計しましょう。

そしてスタイル。SNS でいいますと失敗した場合ですね、誰も見てくれません。従いまして「失敗を許容する文化」を作りましょう。

スタッフ。配置する人材は、外部登用の活用もありますが、担当は町が好きだったり、発信が好きな人に任せましょう。

システムについては、評価に組み込んだり、報告義務を設けるなど、進捗が定期的に生まれるようにしましょう。

そして、変革の本丸はシェアードバリュー。価値観です。ここでは民間の力を借りるですとか、自治体運営には地域住民のみならず出身者という外部人材にも頼ろうみたいな、ここへの価値観を高めていくことだと思います。そのための他の6Sで支えていく感じです。

こんな感じで、超粗い例ですが、お金がない中でも効果的な戦略を実行できる組織を考えていくのです。

マーケティングも組織改革も経営を立て直すレバーのひとつ。スキルとして動かせるレバーは多ければ多いほど活躍のフィールドは広いですよね。

そしてまた、問題解決の視座も解像度も高くなります。

組織は凡人をして非凡ならしめるもの。マーケティングの原理原則はフレームワークもそうですが、大きな仕事を果たそうとなると、たくさんの人たちとの協働は欠かせません。組織でもって実行するスキルも、とても大切ですよね。


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■3. 編集後記

今回の特集は音声入力を一部で活用してみたのですが、めちゃめちゃいいですね。
喋りながら発想が思いついてまた言葉が出てくるので、これは知的生産手段として超いいなぁと実感しました。

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https://forms.gle/oZHJxx3yKmJwr2SaA


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編集・発行元:ターゲットは長万部 ムロヤ

note
https://note.com/muroya/m/m23156fc39046

Website
https://oshamambe.jp/

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