大阪万博のプランB

大阪万博みたいな高度成長期のまねごとをされるのは時代錯誤であり，はっきりいって迷惑です．そもそもいまから10年以上前に，東京オリンピックや大阪万博の誘致を企てた老人たちの，高度成長の夢よもう一度という妄想に心底あきれました．自分の懐が痛まない税金だからといって好き勝手にやっていいわけがありません．

大阪万博の資金はぜひプロジェクトファイナンスで調達してください．金融機関だけでなく広く，一般からも資金を集めるのです．府知事，市長，維新関係者といった積極的に招致をはかったひとは，ぜひこのプロファイ債に私財を投資していただきたい．もしロサンゼルス五輪のときのように黒字がでれば，投資した分の儲けはとっていただいて全然かまいません．

大阪万博もカジノ誘致もどうみても無謀な政策です．税金をつぎこんでムダになりそうなときのプランBは考えているのでしょうか．ポイントオブノーリターンは，残念ながらすぎさったのでしょうか．維新と政府が責任を押しつけてあいをしている場合ではありません．撤退が早ければそれだけ税金の損失も小さくなります。今からでもいいから，損切して整理しないとたいへんなことになります．

大阪万博の言いだしっぺが大阪維新であったのはまぎれもない事実です．もし大阪万博が失敗するようなら，国政進出や政権参加など夢のまた夢でしょう．もし強行するなら思いきった発想転換が必要かもしれません．たとえば万博の公用語をすべて英語とし，アジア新興国の元気な企業をみな引っ張ってきて,先端ビジネスの総合見本市に徹するとか工夫が必要です．

情報化をともなう高度産業社会のいま，コンクリートとか木造などによる上物にこだわったり，各国のパビリオンの建築のおくれに右往左往するのは，いかにも古い発想だと思います．そんな旧態然とした博覧会は時代おくれでしょう．あきらかに金と時間のむだです．

VRなどといったクロスリアリティやメタバースの技術を駆使し，すべての企画を仮想空間上に実現させるのです．先端情報産業やベンチャーに，ハードではなくソフト上で自由に競争させたらいいと思います．あたらしい時代の博覧会の形を世界にむけて提案していくのはいかがでしょうか？