サウナが苦手、なのにフィンランドへ行く
夫婦でフィンランドに行くことになった。
はじめに記しておくが、自分はイッタラもマリメッコもムーミンも、ついでにアアルトもアラビアも興味はない。イッタラ、特にカルティオのグラスについてはアンチレベルだ。分厚い、重い、落ち着かない。あれは巨人のためのグラスだッ。
THEシリーズのTHE GLASSは、カルティオに似たようなかたち。だが理想形
そんな好みによる批判はさておき。じゃあ、なぜ行くことになったかって。
……サウナである。
サウナ。これもまた私、全然すきじゃない。蒸し暑くて苦しくて、1分もしたら飛び出したくなるあの部屋。おっさんたちの我慢大会でしょ。聞けば温度が80℃とか90℃って。身体のタンパク質がなんで熱変性起こさないのか(※1)。怖すぎるし、さっぱりわからん。
空前のサウナブーム
ところが今、巷はサウナで盛り上がっているそうな。そうとは知らず、半年ほど前から、夫(結婚8年め、1コ下、無口)が銭湯きっかけで突然サウナにハマった。酒は飲まない、友達もいない。趣味は猫なので仕事からは基本直帰……だったのに、気づいたら「今日サウナ行ってくる」と、会社の帰りがたびたび遅くなりはじめたのである。
「今日もあいつサウナで遅いにゃー」(愛猫・4歳メス)
そんな彼がついに、「フィンランドのサウナ行きたい」と言いだしたのだ。
彼は、基本家から出ない。幼少期に海外で数年暮らしていたのに、国内では本州から出たことがない。出たいと思わない。たまのデートで自分から行きたいところを提示したと思ったら、東京取引証券所。おじさん通り越しておじいさんみたいな男である。
そんな彼が、積極的に出かけたがっている。めったにない彼の自己主張、私はそれに乗ってみたい。それに北欧は行ったことがないし、仕事も辞めて、ヒマだし。
でも、サウナなんて、あの我慢大会の小部屋でしょう……? まあ向こうなら少しは違うのかな。それに、嫌だったら別行動すりゃいいしな……。とりあえず調べてみるか。それから、日本のサウナにも行ってみようか。苦手が、克服できるかもしれないし。
かくして、フィンランド旅行が、計画されたのである。
※1:空気の熱の伝わりやすさは、水の1/20程度しかありません。だからサウナでも火傷しないんですね。[岡山理科大学]
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フィンランドに行く前にひとつエッセイを挟みます。
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